家電レビュー

パナソニックのムダ毛ケア家電 3回使ったら毛が急激に目立たなくなった

体毛のケアにパナソニックの光美容器「スムースエピ パワー&クール ES-WG0B」を使ってみました

体毛が全体的に濃く、お手入れに時間がかかることに悩んでいます。脱毛サロンへの通院も検討していますが費用が高額なため、自分の都合のよい時間に気軽にできる家庭用光美容器を試してみようと思っていました。

ただ、家庭用光美容器には「痛みがある」「効果の実感まで時間がかかる」といったネガティブな評価も耳にします。高額なアイテムなので気軽には購入できず、光美容器にまったくなじみのない筆者(37歳・男性)としては、本当に毛が生えにくくなるのか、また初心者でも使いこなせるのか疑問でした。

そこでお借りしたのが、パナソニックの光美容器「スムースエピ」シリーズの最上位モデル「スムースエピ パワー&クール ES-WG0B」(直販価格118,800円)。パナソニック史上最高クラスのパワーを備え、中位モデルにはない約5℃の強力プレ冷却(クールプラスモード)によって、刺激を抑えながら照射できるのが大きな特徴です。

今回は左手に照射し、4週間後の変化を確かめてみました。使う前は「あまり明確な違いは出ないかも」と思っていましたが、はっきりとわかる効果が出たのは驚きでした。

高出力&低刺激でケアできる

「スムースエピ パワー&クール ES-WG0B」は、サロンにならったIPL照射と冷却方式を組み合わせた光美容器です。IPL照射とは、黒い色素に反応する光(IPLフラッシュ)を当て、熱エネルギーで発毛組織にダメージを与えることで毛が生えにくくなる仕組みです。

従来の光美容器では光エネルギーによる痛みが課題でしたが、この製品は照射面に高熱伝導・高硬度のサファイアクリスタルを採用し、ペルチェ素子による急速冷却と組み合わせた「スキンプロテクト冷却」によって肌表面の温度を下げ、刺激を軽減します。

電源はAC100~240V(自動電圧切替付き)、消費電力は約85W(AC100V/照射準備時)、約105W(AC240V/照射準備時)。連続使用回数は約600回(フェイス&ボディ用アタッチメント取付時、クールプラスモード・ハイパワーモードは約100回まで)

使用可能部位は脚、腕、ワキ、手、胸、お腹、VIO、顔(ヒゲを含む)。I・Oゾーンや男性のヒゲにも使えるモデルは限られるため、トータルケアを目指す場合にも向いているでしょう。

本機には3つのモードが搭載されています。まず「ハイパワーモード」は、レベル1〜5の通常出力よりも強い出力で照射でき、刺激は強めですが効果を得やすいモードです。

「クールプラスモード」は、本機の目玉ともいえるモードで、ハイパワーと同等の出力を保ちながら、照射前に約2秒間、照射面を約5℃(室温25℃時)までプレ冷却して刺激を抑えます。冷却時間を取る分だけケアに時間がかかりますが、ヒゲやVIOなど太い毛も低刺激で効果的にケアしやすいのが特徴です。

照射面を冷却して刺激を抑える「クールプラスモード」が特徴

「スピードモード」は、約1秒間隔で連続照射できる時短設定で、出力はレベル1より低く刺激は弱めな代わりに、ケア頻度が増える前提で使用するモードです。

なお、すべてのパーツは、ソフトケースにコンパクトに収納できるよう設計されています。スペースにもわりと余裕があって、適当に入れてもジッパーを閉められる点は、使い心地がラクでよかったです。

ソフトケースに収納している様子

初心者でも使える、シンプルな操作性

本体サイズは7.5×5.6×23.2cm(幅×奥行き×高さ、フェイス&ボディ用アタッチメント取付時)、コントローラーは7×5.6×17cm(幅×奥行き×高さ)、電源コード長は1.5m、重量は約890g(アタッチメント取付時、電源コード含まず)

基本的な使い方は、まずは照射箇所に該当するアタッチメントを装着してから、電源ボタンを長押しします。出力レベル/モードを選択すれば、あとは実際に肌に照射するだけ。使う前は剃毛して、汗などを洗い流し、清潔で乾いた肌にしておくとよいでしょう。

なお、アタッチメントによって使えるモードが異なります。「フェイス&ボディ用」はすべてのモードが使用可能、「I・Oゾーン用」「ワイド用」は通常のレベル1〜5のみ選択可能です。

ボタン上が電源スイッチ。長押しして電源を入れる。ボタン下はレベル/モードスイッチ。冷却レベルは最大1~3、光の出力レベルは1~5に加えてハイパワーモード/クールプラスモード(レベル5以上)に設定可能
アタッチメントは左から「フェイス&ボディ用」(ボディ・Vゾーン、顔、手、腕、脚、ワキ)、「I・Oゾーン用」(I・Oゾーン)、「ワイド」(腕、脚、胸、お腹の広い範囲)。※ワイドは照射部位は広いが冷却機能が使えない

「ピッ」と音が鳴ったら照射と冷却の準備が完了。照射するときはアタッチメントを肌にしっかり密着させ、肌に対して垂直に当てます。照射が終わったら肌から離し、再び「ピッ」と鳴ったら次の箇所に当てる、という流れを繰り返します。使用後のアタッチメントは水洗いできないため、乾いた布で拭き取ってお手入れします。

照射面を肌に密着させて「垂直」に当てるのがポイント

使用感としては、パッパッパと連続で照射できるわけではなく、照射してからピッという音が鳴るまでにおよそ3秒ほどの待機時間があります。クールプラスモードはしっかり冷却してくれる分、さらに待機時間が長くなります。

手のように範囲の狭い部位であれば全体のケアも数分程度で終わるためあまり気になりませんが、脚全体のように広い範囲をケアする場合には少し時間がかかり、もどかしく感じることもあるでしょう。筆者自身はまだ使い慣れていないこともあり、照射の順番を考えるのに時間を取られていたため、待機時間についてはそこまで不便には感じませんでした。

手の甲など凹凸のある箇所は、照射がうまく開始されないことがあり、その場合は照射角度を少し変えるなど工夫が必要でした。さらに、なんだか反応しないな……と思ったときに、部屋の照明がやや暗めだったことに気づき、照明を「全灯」にしたところ反応するようになったこともあります。多少のコツは必要ですが、特別な技術は求められないので、一度慣れてしまえば初心者でも十分に使いこなせる印象です。

モード選択画面については、出力レベルはレベル1なら「●」、レベル3なら「●●●」というように表示されるのでとても分かりやすいです。ただ、モードに関しては結晶のマークの数で見分ける仕組みになっているため、直感的には少し分かりにくい印象。慣れるまでは「これはどのモードなのかな」と迷ってしまい、結局説明書を開いて確認する必要がありました。

出力レベルが3の状態
雪の結晶マーク1つがスピードモード、3つがハイパワーモード、4つがクールプラスモード。写真はハイパワーモード

照射部の重量はアタッチメント取り付け時で約380gと、350mlの缶ジュースと同程度。ヘッドにそれほど重みを感じることもなく、しっかり握りやすい形状のため使っていて腕が疲れる感覚はありませんでした。

照射回数や使用時間の目安については以下の通りですが、週に1回のペースで手の脱毛を行なう場合、作業自体は数分で済むため継続もしやすいと感じました。さらに、後述しますが思ったよりも早い段階で効果が表れたので、続けることがあまり苦にならない印象です。

照射回数/使用時間の目安

顔 30回/3分
ワキ 40回/2分
腕 120回/7分
両手 40回/2分
Vゾーン 60回/5分
I・Oゾーン 20回/1分30秒

ちなみにこれは本製品に限ったことではなく、光美容器を初めて使った際の率直な感想なのですが、実際に継続するうえでは照射そのものよりも照射前の準備の方が手間に感じました。

というのも、日焼けや炎症がある状態で照射すると肌トラブルにつながるため、日傘や日焼け止めでしっかり対策をする必要があり、さらに除毛直後にヒリつきがあるときは照射を控えるなど、肌の状態を見ながらスケジュールを調整しなければなりません。

ほかにも、ホクロや虫刺されがある部位には使用しない、化粧水などがついていない状態で照射するなど、使用にあたってはさまざまな注意事項があるので、しっかり説明書を読むことをおすすめします。

面倒ではあるものの、光美容器を安全に使おうとすることで自然と肌に関する知識が増え、結果的に美意識が以前より高まったのは思わぬメリットだったと感じています。

3週間でわかりやすい効果が出た

効果を検証したのは手(指と甲)です。使用を始める前は、1週間まったく毛を剃らなかった場合、とくに指の第2関節と第3関節の間にモサっと毛が生え、手の甲では外側あたりに毛が集中していました。これらは目立ちやすい部分なので、お手入れを怠ると清潔感がなく見えてしまうのが悩みでした。

筆者の1週間伸ばした時の状態
近づいてみると、指の第2関節と第3関節と手の甲の外側の毛が目立つ

検証方法は、約3週間にわたり1週間ごとに計3回、朝に除毛して夜に照射するという流れで行ないました。なお、事前にパッチテストを済ませたうえで、左手のみを対象に進め、右手は比較のため手を加えずに残しました。

後述する「スキンセンサー」で確認すると、レベル5で照射できる部分とレベル4までの部分がありましたが、安全面を優先してすべてレベル4で実施しました。パワーが弱めなので効果が出にくいのではないかと思っていたものの、実際にははっきりと効果が現れたのは大きな驚きでした。

3回照射後、まず照射を一切していない右手を1週間放置した状態を確認してみると、やはり指や外側に毛が目立っていることがわかります。

何も照射しなかった右手の1週間の毛の伸び具合

次に、3回照射を行なった左手を1週間放置すると、違いは一目瞭然。多少は黒い毛穴が点々と見えるものの、以前のようなモサっとした指毛は消えており、肉眼で見ても毛が伸びている印象はほとんどありません。この程度であれば無理に剃らなくても不快感を与えることはなく、手の毛のお手入れにかかる手間は大幅に減りそうです。

また毛が生えてくるスピードは明らかに遅くなり、3回照射でしばらく生えてこなくなる効果が実感できました。

計3回照射後に1週間放置した後の毛の生え具合
近づいてみても、毛の伸びが抑制されている。薬指の関節あたりに多少毛が生えていますが、こちらはけがをしており照射できずに避けた箇所

ちなみに効果は段階的に実感できて、計2回照射を行なった際には、1週間経つと薬指や小指、さらに手の甲の外側などにまだ毛が伸びているのが確認できるものの、最初の状態と比べると毛の長さは短くなっており、明らかに伸びるスピードが鈍っていることがわかりました。

計2回照射後に1週間放置した後の毛の生え具合

クールプラスモードで痛みが軽減

痛みの感じ方は照射する部位や状態によってかなり異なります。

手については照射レベルを4と低めに設定しており、照射面のひんやりした感覚しか伝わらず、痛みを感じる以前に「本当に照射されているのかな」と思うほどでした。約20回ほど試した中で数回、輪ゴムで軽く弾かれたようなパチッとした刺激がある程度で、継続をためらうような痛みではなく、無視できるレベルの痛みでした。

手よりも毛が太く濃い脚でも試したところ、ハイパワーモードでも針で軽くチクっと刺されたくらいの感覚で、レベル5では輪ゴムではじかれたような痛みを感じる程度。レベル4では手と同様、刺激をほぼ感じないほどでした。痛みは照射するたびに出るわけではなく、ハイパワーでも何も感じないときもあります。

毛が太く濃い脚にハイパワーで照射しても、針で軽くチクっと刺されたくらいの痛みでした

ただお腹に関しては、強い痛みがありました。毛が太く濃いからか、ハイパワーモードでは思わず体がビクっと反応するほど、焼けるようなチクっとした鋭い痛みを感じることがあり、レベル5では針で刺すような刺激に近い印象でした。ただ、いずれの場合も使用後にヒリつきやかゆみが持続するようなことはありませんでした。

クールプラスモードは、ハイパワーと同じ出力であるにもかかわらず、痛みが明らかに軽減されていました。体感としてはハイパワーモードの半分程度の痛みという印象。他のレビューでは「クールプラスモードの方がレベル5よりも痛みが少ない」とされていますが、筆者の場合はむしろレベル5の方が刺激が弱く感じることがあり、少し珍しいケースかもしれません。

ワイドアタッチメントも試してみました。これを使うと、肌に照射面を当てたまま少しずつ滑らせて連続照射できるため、広範囲をスピーディーにケアできます。最大10連射まで対応しています。

ワイドアタッチメントを装着している様子

ただし、冷却機能は使えないため、照射面が熱くなりやすい点が気になりました。痛みを感じにくい部位なら問題ありませんが、刺激を受けやすい箇所では痛みが強く出やすい印象です。特に毛が濃い部位では、レベル5にすると体感的にハイパワーモードに近い刺激がありました。

痛みを一度感じると、「あの痛みがくるかも」と身構えてしまい、継続が億劫になります。それに、レベル5で痛みが気にならないなら、クールプラスモード(ハイパワー同等の出力)が使える「フェイス&ボディ用アタッチメント」のほうが効率の面でも良いと感じました。こうした理由から、筆者の場合はワイドアタッチメントを積極的に使う選択肢はなさそうです。

初心者が心配なく使うための機能が豊富

今回、光美容器を使ううえで最も不安に感じていたのが、適切な出力の選び方でした。出力が強いほど効果を早く実感できる反面、その分、肌へのダメージや炎症のリスクが高まります。初めて使う場合は、どのくらいの強さまで照射していいのかがはっきり分からず、あれこれ調べたりパッチテストしたりしても、「本当にこれで大丈夫なのだろうか」と不安が残りそうでした。

しかし、本機にはスキンセンサーが搭載されており、肌に当てるだけで肌の色に応じた適切な出力を自動で判定し知らせてくれるため安心できます。この機能がなければ、自分で強い出力に切り替えるまでにかなり時間がかかっていたと思います。

本体電源がONでモード選択していない状態のときに、アタッチメントを肌に密着させ垂直にあてると、適切な出力レベルを確認できる

本機はスマートフォンとの連携が可能で、初心者をサポートする機能がとても充実しています。まず「使用できる肌の色」をチェックできる機能があり、どの程度の日焼けまでなら使えるのかといった基準がやや曖昧になりがちな部分を、わかりやすく示してくれるので安心です。

「肌の色チェック」の画面。アプリと連携して、肌に当てればお手入れ可能かチェックできる

中でも便利に感じたのがスケジューリング機能です。複数の部位を管理する際に「次のケアはいつなのか」がひと目でわかり、さらにケアの日にはプッシュ通知で知らせてくれるので、つい忘れがちな定期的なお手入れも無理なく続けられます。

また、男性向けには「ヒゲscan」という機能があり、顔写真を撮影すると自動でヒゲの本数をカウントしてくれます。およそ4週間ごとに撮影することで、ヒゲがどのくらい目立たなくなったかを数値で確認できます。

全身のお手入れのスケジュールがカレンダーでわかる

懐疑的だったけど、毛の手入れの手間は減りそう

光美容器を初めて使うときはやはり相当怖いもの。もともとは顔に使うつもりでしたが、「やけどしたらどうしよう」という不安が勝ち、万が一ケガをしても目立ちにくい指に変更したほどでした。

試用にあたっては、説明書だけでは不安を拭いきれない点もいくつもありましたが、本機は適切な出力パワーを自動で知らせてくれるなど、専門家の指導がなくても扱いやすい機能が揃っており、安心して使い続けることができました。

効果についても当初は懐疑的で、「多少減ったかも」程度で終わるのではと思っていたものの、実際には毛の生え方にここまで明らかな違いが出たのは驚きでした。使用をやめた場合に毛の生え方がどの程度で戻るのかはまだ分かりませんが、現時点ではしっかりと効果を実感できており、本機を使えば日々のムダ毛ケアにかける時間を減らせるような気がしています。

福永 太郎

フリーランスの編集者・ライター。ライフスタイル系メディアの家電記事の担当を経て独立。現在は複数のWebメディアに寄稿。