内藤:欧米にとってのイスラム圏と、日本にとってのイスラム圏とでは意味が違います。日本には、東南アジアの一部を除くとイスラム圏を植民地として支配した歴史がない。そのため、中東ではおおむね好意的に捉えられています。親日的な国や市民は多い。ムスリム人口は15億~16億人と言われています。これから10年以内に20億人近くまで増える。無視できない地域であるのは間違いありません。 イスラム圏は従来の市場と違って国家を単位にしません。ムスリムは国境を越えて世界中に散らばっているからです。欧米各国にも百万人単位で住んでいます。彼らにフィットした商品・サービスを打ち出すことができれば、これまで見えていなかった市場が突然目の前に現れるでしょう。 日本は昨年から、マレーシアやインドネシアからのインバウンド(訪日旅行)を増やそうと産官連携で取り組んでいます。一部の企業は、食品などでハラール(アラビア語で「許された