「国策捜査の現実は、小説よりもずっと劇的だと思いました」。佐藤優被告は1日、上告を棄却した最高裁の決定を受けて、こんなコメントを出した。 政官財の事件が摘発されるたび、捜査批判に使われる「国策捜査」。小沢一郎民主党代表代行側への違法献金事件で民主党側が当初、この言葉で検察を批判したことは記憶に新しい。 この「国策捜査」を世間に広めたのが、鈴木宗男衆院議員と佐藤被告だった。 佐藤被告は「起訴休職外務事務官」という肩書で多数の著書を執筆した。 公判で「特定の政治的ターゲットの中に何としても犯罪を見いだし、作り出すことだ」と「国策捜査」を定義。自著「国家の罠(わな) 外務省のラスプーチンと呼ばれて」では逮捕直後、検事から「これは国策捜査なんだから。あなたが捕まった理由は簡単。あなたと鈴木宗男をつなげる事件を作るため。国策捜査は『時代のけじめ』をつけるために必要なんです」と言われたというエピソード