クラブの持つ文化や哲学が独特であればあるほど、それが“肌に合わない”選手には適応が難しいものとなる。サッカー界において、エゴイストは決して絶対的なマイナス要因ではない。我の強さをピッチ上で力に変える選手は少なくないのだ。だが、それがバルサでプレーするとなると、状況は難しくなる。“バルサの哲学”はプレーする人を選ぶのだから。 Text by Yasuo “Capitan” ICHIKI 2007年2月13日、リーガの戦いが煮詰まりつつある大事な時期、メディアを前に爆弾発言を行った選手がいる。カメルーンの星、サミュエル・エトーだ。 「俺が試合出場を拒否したかのようなライカールトの発言は不愉快だ。もっとも、不愉快なのは監督だけじゃなく選手の中にもいる。自分は好き勝手なことやっているくせに、やたらとチームプレーが大事なんてふざけたことを言うヤツさ。そういうヤツに限ってジムに引きこもって練習に出