クマの出没件数は、5年でどのくらい増えた?
連日続く、クマによる被害。
特に多数の出没が確認されている岩手県では、10月29日、岩手大学が構内での熊の出没に伴い臨時休講の措置を取る事態に(29日19時時点で、大学構外へ熊が移動した可能性が高いとして、30日からの授業の再開が案内された)。
「クマの出没が増えている」との報道が目立つが、果たして本当に例年より増えているのだろうか。実は環境省では、クマの出没件数や被害件数などの情報を集計・公表しており、県ごとの状況を確認することができる。
話題となった岩手県では、これまでにどのくらいの出没や被害が報告されているのだろう。環境省が公開しているデータの中から、最も直近の2ヵ月間の出没件数を、過去の4年と参照してみよう。
| 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 7月 | 519件 | 413件 | 675件 | 554件 | 1024件 | 
| 8月 | 501件 | 450件 | 561件 | 438件 | 867件 | 
令和3年からの出没数を参照すると、令和7年7月〜8月の岩手県の出没件数は過去4年間と比較して突出して多い。ニュース報道で見聞きする「出没数の増加」は、実際のデータにも裏付けられているようだ。
特に今年の7月では1024件と1000件を超えており、昨年の554件と比べるとおよそ2倍近くも増えていることになる。また8月の出没数も、令和3年から令和6年までが400〜500台で推移していたのに対し、今年は867件と大きく増えている(ただし、数値は都道府県から聞き取った速報値であり、数値の取りまとめ方は都道府県ごとに異なっている点には留意したい)。