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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第572回

ポルシェ 911を凌駕? 「Mercedes-AMG GT43」は後席と大容量荷室を持つ速くて実用的なスポーツカー

2025年10月13日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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メルセデスAMG/GT43クーペ(1650万円、オプションを搭載した取材車の価格は1900万2000円) ※車両協力/メルセデス・ベンツ日本

 メルセデス・ベンツのスポーツブランド、Mercedes-AMGの中で、最もブランドを体現しているのが「AMG GTクーペ」だろう。そのAMG GTクーペに2024年10月、新グレードGT43が加わった。

 上位モデルGT63との価格差は約1100万円。「安かろう悪かろう」「プアマンズAMG GTクーペ」と思ったら大間違い。普段乗りなら断然コッチだった!

上位モデルとの価格差1100万円
だがGT43は「プアマンズAMG」にあらず!

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Mercedes-AMG/GT63クーペ(2750万円、オプションと搭載した取材車の価格は2841万4000円)

 過去、Mercedes-AMGに触れるたびにハードな乗り味とビッグトルク、そして「傷をつけようものなら、とんでもない修理代の請求書が来る」という恐怖に肝を冷やしてきた。特にGT63クーペに至っては、左ハンドルということもあって、運転しながら変な汗が止まらなかった。

 ゆえに街で見かけると「この人はスゴいんだろうな」と尊敬の眼差しを送っていたし、高速道路でうしろに見えた瞬間、スグに道を譲った。もちろん合流する際、前に入ることなどご法度だ。

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Mercedes-AMG/GT43クーペ

 そのような経験を踏まえたうえで結論から言うと、GT43クーペはMercedes-AMGの中においてはフレンドリーなクルマに仕上げられている。フレンドリーといっても濃厚すぎるほどMercedes-AMGらしさ、GT63クーペらしさがあるわけで、時としてドライバーに牙を剥いてくることには変わりない。それを踏まえたうえで、GT63にはなかった一般道での「操る楽しさ」を感じ取れた。

FRレイアウトを選んだハイブリッドモデル

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 GT63クーペとGT43クーペのボディーサイズは、ほぼ同じだ。強いて言うならGT63クーペより全幅が55mm狭く、それゆえスレンダーな印象を与える。

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 ちなみに試乗車にはウイングがついているが、これは「AMGドライビングパッケージ」(120万円)というオプションに含まれているもの。これを選択すると、ブレーキキャリパーが黄色になるほか、四輪操舵、電子制御LLSD、専用サスペンション、そしてAMGダイナミックエンジンマウントが装備される。

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 外観上での違いはリアのエンブレムのほか、フロントグリル、そしてフロントフェンダー周り。そのフロントフェンダーには上段に「TURBO」、下段に「ELECTRIFIED」のエンブレムが設けられる。そう、このクルマはハイブリッド車なのだ。

エンジンはマイスターによる手組み

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 GT63クーペには最高出力585馬力の4L V8ツインターボエンジンが与えられていた。一方、GT43クーペはというと2L 直列4気筒ターボエンジンに、スタータージェネレーターモーター(BSG)の組み合わせ。もちろんマイスターによる手組みのエンジンで、製作者のエンブレムが誇らしく輝く。

 エンジンの気筒数は半分になれど、最高出力は半分にあらず。なんと421馬力と十分すぎるほどのハイパワーを発生させる。となると、余程大きなターボチャージャーがついているのか、と気になるところ。そしてターボラグがあるのでは?

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 そんな心配はご無用。メルセデスがターボラグという無粋なことをするわけがない。彼らはタービンホイールをモーターの力を使って最適制御しているのだ。具体的には、エンジンが低回転の時(=排気の負圧が下がっている状態)などはモーターでタービンを回し、いざという時は一瞬でブーストがかかるようにしているのだ。

 そしてここが重要なのだが、GT63は四輪駆動であるのに対し、GT43は後輪駆動。つまりFRレイアウトなのである。

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