Zoomで変わる! 導入企業事例

Zoom活用事例:株式会社on the bakery

“話しすぎる”営業は仕事が取れない。効果的な防ぎ方とは?

文●貝塚/TECH.ASCII.jp

提供: ZVC JAPAN

株式会社on the bakery 代表取締役・CEOの井戸裕哉氏

 近年、スタートアップやベンチャー企業を中心に、営業チームのスキルの平準化やマネジメント工数の削減が急務となっています。

 その背景には、急速な事業拡大に伴う営業メンバーの新規採用の増加や多様化があります。新規メンバーの早期戦力化が求められる一方で、個々の営業スキルや経験にバラつきが生じやすく、全体の営業パフォーマンスを安定的に維持するためにはノウハウの共有と教育体制の強化が不可欠なのです。

 また、営業マネージャーはメンバーの育成に加え、営業戦略の策定や顧客対応など多岐にわたる業務を担うのが一般的。効率的に商談内容を把握し、的確なフィードバックを行うことが求められます。限られた時間で最大限の成果を上げるために、スキルの平準化とマネジメント工数の削減は、事業成長のカギとなっているのです。

 こうした課題に対し、株式会社on the bakeryは事業にZoomのソリューションを導入。商談の録画や文字起こし、AIによる解析を活用したセールスイネーブルメントを推進しています。

 同社は、2021年に設立の神奈川県横浜市に拠点を置くスタートアップ企業。企業と顧客の接点を創出するマーケティングツール「クロワッサン」を開発・提供しています。

 このツールは、オンラインガチャ、診断、アンケートなどのコンテンツをノーコードで簡単に作成できるもので、低コストでの導入が可能なことから、支持を集めています。特に、LINEやSNSとの連携によりフォロワー拡大やオンライン購買率に悩むBtoC企業はもちろん、hubspot連携した法人情報取得機能によりBtoBリード獲得にも効果を発揮できる点が強みです。

株式会社on the bakeryが、Zoom導入前に抱えていた課題:事業拡大に伴う営業メンバーの増加が進む一方で、個々の営業スキルや経験にばらつきが生じ、商談の質を安定させることが課題となっていた。また、営業マネージャーが教育・育成、営業戦略の策定、顧客対応といった多岐にわたる業務を兼務する中、限られた時間で効果的に商談を把握・改善する仕組みが構築できていなかった。

営業平準化とマネジメント工数削減を目指してZoom導入

 株式会社on the bakeryでも、営業メンバーのスキル平準化とマネジメント工数の削減は重要課題でした。従来は他社のWeb会議ツールを全社展開していましたが、商談ごとに質のバラつきが生じ、マネージャーが1時間以上かけて録画を頭から視聴してフィードバックするなど、非効率な業務が常態化していました。

 そこで、同社は既存CRMであるHubSpotとの接続性や、文字起こしの精度を重視し、Zoom Meetings、Zoom Phone、Revenue Accelerator、Webinarsを包括的に導入することを決定したのです。

 代表取締役・CEOの井戸裕哉氏は、「AIを活用した文字起こしの精度が他社製品を上回っていたこと」「セールスイネーブルメントの投資対効果が高いと判断したこと」が、Zoomソリューション導入の決め手になったと話します。

商談録画とAI要約で営業ノウハウを見える化・共有

 同社が特に積極的に活用しているのが、Zoom Meetingsに組み込まれている録画・文字起こし機能です。営業商談の内容は全て自動で記録・テキスト化され、必要なキーワードを検索すれば、その該当箇所に即座にアクセスできるため、マネージャーは膨大な録画を通しで視聴する必要がなくなりました。また、商談中の発話比率が可視化される機能も効果を発揮しています。

「商談中の顧客と営業担当者の発話比率をリアルタイムで可視化できるため、営業担当者が話しすぎて顧客の発言が少なくなるケースや、逆に聞き取り不足で顧客ニーズを捉えきれていないケースを防止し、よりバランスの取れた商談を実現しています」

 商談の様子は全て記録・可視化されるため、営業マネージャーは現場に赴かずとも多くの商談を効率的にモニタリングできるようになりました。

 さらにRevenue AcceleratorのAIによる自動スコアリング機能も、ビジネスを押し上げる重要な仕組みとなっています。商談の質を数値で可視化することで、マネージャーは多くの商談の中から、特にスコアが低いものを優先的に確認し、改善すべき点を的確にフィードバックできる体制を構築することに成功しました。

 結果的に、営業マネージャーは毎週20時間以上の確認工数を削減。限られた時間を、より本質的な指導や戦略立案に充てられるようになりました。

 こうした商談データの蓄積と解析は、成功パターンを定量化し、新人教育やOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング:実際の仕事をしながら行う実践的な教育・訓練)」のクオリティの向上にも大きく貢献しています。

 新人スタッフは、録画されたトップ営業の商談をいつでも視聴できるほか、具体的なクロージング手法や質問の進め方といったノウハウもRevenue AcceleratorのAIによる解析結果を通じて効率的に学ぶことが可能になりました。教育効率の飛躍的な高まりは、想像に難くありません。

株式会社on the bakeryの導入ソリューション
Zoom Meetings
Zoom Phone
Zoom Revenue Accelerator
Zoom Webinars

マネジメント工数20時間削減、受注率2倍以上の具体的効果

 ZoomのAI機能による文字起こし、キーワード検索、発話比率分析、スコアリングの活用によって、マネージャークラスの人材の業務効率が向上した結果、営業チーム全体のスキルは平準化され、株式会社on the bakeryの全社での受注率は、2倍以上に向上したといいます。

「Zoomの録画とAI解析機能により、営業チームの強みと課題を効率的に把握できています。限られた時間で重要なポイントを見極められるため、教育の質は飛躍的に向上しました」

 同社では今後、マーケティング領域でもZoom活用を推進予定です。具体的には、Web画面上でユーザーが楽しみながら情報を入力できる、オンラインガチャや診断体験といったインタラクティブ施策を、Zoomプラットフォーム上で展開することを検討中。Zoomの双方向コミュニケーション機能やビジュアル表現を活かすことで、これまでにない新しい顧客体験を創出し、マーケティングの可能性を広げていく方針です。

 株式会社on the bakeryの事例は、スタートアップ・ベンチャー企業が成果を最大化しようとする上での、効果的なZoomの活用方法を示す好例です。営業スキルの属人化を防ぎ、マネジメントを効率化しながら受注率を向上させるZoomソリューションは、いまや営業現場だけでなく、企業成長を支える戦略ツールになりつつあるようです。

株式会社on the bakery、Zoom導入の効果:Zoomの録画やAIによる文字起こし、スコアリングなどを活用することで、営業ノウハウの可視化と共有が促進された。営業マネージャーは、発話比率やスコアをもとに課題点を効率的に把握し、ピンポイントで改善指導が可能に。商談データの活用により、OJTを含む新人教育の質が向上し、営業チーム全体のスキルが平準化された。結果的に、マネジメント工数は週20時間削減され、受注率も2倍以上に向上した。

会社名:株式会社on the bakery

設立:2021年
本社所在地:〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-7-1 オーシャンゲートみなとみらい8F
業界:IT・ソフトウェア

URL:https://www.onthebakery.co.jp