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400種類以上のデータソースに対応、「CData MCP Servers」ローンチセミナーレポート

MCPを手に入れたAIは“ビジネスを変えるゲームチェンジャー” CDataがセミナーでデモ披露

大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

 「CData MCP Serversは、AIと『あなたの会社のデータ資産』を本当の意味で結びつける、初めての製品です。そのインパクトは単なる業務効率化にとどまらず、“ビジネスのやり方そのものを変えるゲームチェンジャー”になると考えています」(CData Software Japan 今西涼氏)

 生成AIアプリケーション/AIエージェントを業務システムと連携し、高度な業務自動化/業務支援を実現するために欠かせない仕組みである「MCP(Model Context Protocol)」。このMCPをメインテーマとして、CData Software Japanが2025年6月に開催したセミナーには、オンライン/オフライン合わせて「CData史上最大」となる参加申し込みがあり、あらためて注目度の高さを感じさせた。

 CDataでは今年5月、AIを400種類以上のデータソース(業務SaaSやデータベース)とつなげる「CData MCP Servers」を無償ベータ版としてリリースしたばかりだ。この日のセミナーでは、「AIの高度な業務活用にMCPが必要な理由」「AIアプリケーションとの連携でMCPサーバーが果たす役割」といった基本的な知識から、「CData MCP Serversの具体的な製品特徴」、さらには「400種類ものMCPサーバーを一気にリリースできた背景」などが紹介された。

生成AI/AIエージェントと400種類以上のデータソースをつなぐ「CData MCP Servers」

ビジネスAI活用をはばむ「見えない壁」と、それを解消するMCPの仕組み

 セミナーではまず、CDataでパートナーサクセスエンジニアを務める今西涼氏が登壇し、なぜAIの業務活用においてMCPが重要なのか、MCPによってどのような世界が実現されるのかが、ライブデモも交えながら紹介された。

CData Software Japan パートナーサクセスエンジニアの今西涼氏。「AIは、あなたの会社の『言葉』を話せるか?」というタイトルで講演した

 今西氏は「AI活用の『見えない壁』」として、急速に進化するAI技術がビジネスの現場で生かせない理由を3つ挙げた。「AIはコンテキストがないと動けない」「データがAIにつながっていない」「データ活用にはセキュリティリスクがある」の3つだ。「この『壁』があるかぎり、AIは真のビジネスパートナーにはなれません」(今西氏)。

ビジネスにおける高度なAI活用をはばむ「3つの壁」

 MCPという仕組みは、こうした「壁」を解消するために生まれたものだと、今西氏は説明する。企業が保有するデータ資産に対して、AIがアクセスできるよう手助けすることで、“ビジネス現場で生かせる”AIアプリケーション/AIエージェントを実現する。

 今西氏は「技術的な詳細は後回しにして、まずは雰囲気をつかんでいただけたら」と述べたうえで、MCPとCData MCP Serversの位置づけを、次のようなたとえで表現した。

 「MCPは、Claudeを開発するAnthropicが提唱した、AIと外部ツールが安全に会話するための“世界標準語”のようなものです。CData MCP Serversは、その言葉が話せる“超高性能な同時通訳者”だと思ってください」(今西氏)

 CData MCP Serversには、大きく5つの特徴がある。「400種類を超えるデータソースへの対応」「データの読み取りだけでなく書き込みにも対応」「エンタープライズレベルのセキュリティとガバナンスの確保」「Claudeに加えてCopilot、ChatGPTなどにも対応(将来予定)」「インストールすればGUI上の設定だけで完結」の5つである。

 中でも、400種類以上のSaaSやデータベースにまとめて対応している点は大きな魅力だろう。現在、一般に流通しているMCPサーバーは、ベンダーやコミュニティがそれぞれのデータソースごとに開発している。その結果、セットアップの方法などがすべてばらばらであり、AIを多数のデータソースにつなげたい場合には手間がかかる。

 CData MCP Serversの場合は、どんなデータソースでも、同じ手順でダウンロード/インストールし、GUI上の設定だけですぐに利用できる仕組みだ。

サイボウズ「kintone」接続用のCData MCP Serverをインストール、設定するデモ画面

 もうひとつ、CDataでは国内でも開発を進めているため、サイボウズの「kintone」やヌーラボの「Backlog」といった国産SaaSに対応していることもメリットだ。ひとつ目のデモとして、今西氏はkintone用のMCP Serverをインストールし、Claudeから自然言語のチャットを通じてkintoneのデータベースを参照したり、データの書き込みや削除を行ったりする様子を見せた。

Claudeからkintoneのデータベースを読み取ったり、データを書き込んだりするデモ

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