[go: up one dir, main page]

朝日新聞デジタル

水玉のかぼちゃにキラキラの花たち ようこそ「草間彌生 版画の世界」へ

ARTS & CULTURE
2025.08.07

|

個性あふれる南瓜(かぼちゃ)の作品が並ぶ展示室

個性あふれる南瓜(かぼちゃ)の作品が並ぶ展示室

    世界的に活躍する前衛芸術家・草間彌生。初の大規模版画展となる「松本市美術館所蔵 草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」が、京都市京セラ美術館(同市左京区)で9月7日(日)まで開かれています。
    現在は全作品を入れ替えての後期展示中。最初期から近年の代表作まで、現在の評価につながる原動力となった版画作品166点を紹介しています。この夏、草間ワールドにどっぷりひたってみては?
    ※巡回情報は記事後半の「開催概要」をご参照ください

    作家の写真が出迎えるエントランス
    作家の写真が出迎えるエントランス

    生命力あふれる作品たち 「かぼちゃ」に没入できる展示空間も 

    ●間近で見てほしいラメの輝き

    冒頭の章「わたしのお気に入り」では、生命力あふれる華やかなモチーフの作品が観覧者を出迎えます。近年の木版画による富士山の連作も見逃せません。
    続いての「輝きの世界」では、ラメを使った作品が人気です。作品の前に立つと、見る位置を変えるたびにラメがさまざまに反射する様子が楽しめます。

    1章「わたしのお気に入り」の展示風景
    1章「わたしのお気に入り」の展示風景
    1章「わたしのお気に入り」。富士山の木版画連作
    1章「わたしのお気に入り」。富士山の木版画連作
    2章「輝きの世界」のラメ作品
    2章「輝きの世界」のラメ作品

    ●かぼちゃに囲まれて

    草間彌生の作品といえば、水玉をまとった南瓜(かぼちゃ)のイメージを持つ方も多いはず。南瓜は、自らの詩の中で「わたしのこころのかみさまだ」と表現するほど、繰り返し用いてきたモチーフ。本展では、その南瓜の作品群に没入できる空間を実現しました。

    展示室中央に配置された八角形の展示フレームの内外には、黄色系の南瓜の作品がぐるりと飾られ、南瓜に囲まれた気分を体感できます。南瓜の表情は、静かにたたずむもの、今にも動きだしそうなものなど様々。サイズや色、技法の違いもあり、展示室の壁に掲げられた草間のメッセージ「どれ一つとして同じではない」という南瓜の世界をぜひ堪能してみてください。

    3章「愛すべき南瓜たち」の展示風景
    3章「愛すべき南瓜たち」の展示風景
    3章「愛すべき南瓜たち」の展示風景
    3章「愛すべき南瓜たち」の展示風景

    ●広がる「無限の網」

    続いて現れるのは、壁一面に広がる網目の映像。同じ壁に展示されている作品「無限の網」の3点が、壁紙のように順番に投影されています。幼い頃にみた幻覚を芸術として昇華させたという草間の「無限の網」のパターンが額縁を越えて境界なく広がっていくイメージを、プロジェクションで視覚的に表した試みです。

    4章「境界なきイメージ」。作品の周りの壁に広がる映像にもご注目を
    4章「境界なきイメージ」。作品の周りの壁に広がる映像にもご注目を
    4章の網目作品。壁にも網の目が
    4章の網目作品。壁にも網の目が

    画家の制作風景 印象的なモノクロームの世界観

    ●草間彌生の制作の様子も

    最後の展示室では、2004年から約4年をかけて制作された近年の代表作「愛はとこしえ」シリーズ50点のうち10点を展示。前章の白を基調とする空間から一転して黒の世界が広がります。展示室中央には貴重な制作風景をおさめた映像も。キャンバスに見立てた台に投影しており、草間が実際に描いている様子を上からのぞき込むような疑似体験ができます。

    6章「愛はとこしえ」の展示風景
    6章「愛はとこしえ」の展示風景
    5章「単色のメッセージ」の展示風景
    5章「単色のメッセージ」の展示風景

    初期の色鮮やかなモチーフのエリアや、ラメを使用してキラキラと輝く作品のコーナーとは対照的な、モノクロームの世界観で展覧会を締めくくる構成にもご注目ください。

    おしゃれなオリジナルグッズや図録にも注目

    会場特設ショップでは、出品作品を全面にあしらったトートバッグやノート、Tシャツ、カップにティー&クッキー缶といったオリジナルグッズを会場限定で販売中。

    出品作品「赤かぼちゃ」を全面にあしらったグッズ
    出品作品「赤かぼちゃ」を全面にあしらったグッズ

    草間彌生本人の詩やことば、近年の富士山シリーズ(木版画)制作秘話も掲載されている本展公式図録(3千円)も。表紙は出品作品「南瓜」と同様の4色展開です(中面は同じ内容)。

    4色ある図録の表紙画像
    4色ある図録の表紙画像

    世界的な人気を集める、現代を代表する日本の画家・草間彌生の不思議で魅力的な世界。貴重な版画作品が一堂に会する本展を、ぜひご堪能ください。 

    ◆撮影場所は京都市京セラ美術館。会場写真は飯塚晋一撮影、掲載の画像はすべて©YAYOI KUSAMA

    【開催概要】
    「松本市美術館所蔵 草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」
    展覧会公式サイト
    会期:9月7日(日)まで開催中
    会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ(075ー771ー4334)
    開館時間:午前10時~午後6時。最終入場は午後5時30分まで。月曜休館(ただし、8月11日は開館)
    観覧料:一般2200円、大学・高校生1400円、中・小学生600円。未就学児無料(要保護者同伴)。お得なペア券やグッズセット券も各種プレイガイドで販売中

    ※同展は愛知、福島へも巡回します。会場によって展示作品は異なります。詳細は今後の展覧会公式サイト等をご確認ください

    主催:朝日新聞社、朝日放送テレビ、京都新聞、京都市
    特別協力:松本市美術館
    協力:株式会社草間彌生
    協賛:阿部出版株式会社

    (文:朝日新聞社 メディア事業本部 大阪事業部)

    展示作品やグッズの写真はこちら(クリックすると、詳しくご覧いただけます)

    朝日新聞「Arts&Culture」公式SNSアカウント

    LINE 美術展割引クーポンや展覧会グッズプレゼントなど
    お得情報をお届け

    X(旧Twitter)
    朝日新聞社がお届けする数々の展覧会・イベントの最新情報を、企画・運営・発信に携わるメンバーがつぶやきます
    Follow @asahi_event

    メルマガ登録はこちら
    朝日新聞社のアート記事に加え、お得な展覧会情報やチケットプレゼント情報なども定期的にお届け

    REACTION
    COMMENT
    評価の高い順
    花橘
    2025年9月22日 9:39 PM

    草間彌生さんの展覧会行きたかったです。 北FranceのLilleの駅前に大きなオブジェがあります。模造品かと思っていたのですが、草間さんの物でした。

    TAGS
    SHARE

    FOR YOU
    あなたにおすすめの記事

    RECOMMEND
    おすすめの記事

    0
    利用規約

    &MEMBER(登録無料)としてログインすると
    コメントを書き込めるようになります。

    花橘
    2025年9月22日 9:39 PM

    草間彌生さんの展覧会行きたかったです。 北FranceのLilleの駅前に大きなオブジェがあります。模造品かと思っていたのですが、草間さんの物でした。