アクセス資格情報のタイプ
Appleウォレットのアクセスには、宿泊施設、社員証、学生証、家の鍵、車の鍵など、さまざまなタイプがあります。
宿泊施設
Appleウォレット内のホテルルームの鍵では、チェックインからチェックアウトまで簡単に非接触で行うことができ、従来のプラスチック製のホテルキーカードを上回るプライバシーおよびセキュリティ上の利点をゲストに提供できます。対応しているホテルのゲストは、互換性のあるiPhoneおよびApple Watch Series 4以降のAppleウォレット内にある部屋の鍵を使って、タップしてドアを解錠できます。
Appleウォレットの機能は、お客様の手間を減らすように特別に設計されています:
ホテルのAppから到着前にプロビジョニングする。滞在前にパスをAppleウォレットに追加する
チェックインパスのタイル。Appleウォレットからチェックインと部屋割りを開始する
プロビジョニング後の鍵アップデート。現在の滞在を延長または修正する
Appleウォレット内の1つのパスで、複数のルーム鍵に対応
Appleウォレット内で期限切れの鍵を自動アーカイブ
社員証
対応するパートナーの社員証をiPhoneおよびApple WatchのAppleウォレットに追加することで、世界中の従業員が職場に非接触で入ることができます。社員証を追加するには、雇用主から提供されたAppにサインインするのに使用するアカウントで、従業員が多要素認証を有効にする必要があります。
社員証では、Appleのアクセス機能を利用して次のことができます:
パートナーのAppをインストールする必要がないプッシュプロビジョニングによって、ペアリングされたApple Watchに社員証を自動的に追加する
エクスプレスモードを利用してシームレスにオフィス設備にアクセスする
iPhoneのバッテリーが切れたあとでも職場にアクセスする
学生証
iOS 12以降では、対応している学校の学生や教職員が、対応するiPhoneおよびApple WatchのAppleウォレットに学生証を追加して、カードに対応した施設への出入りや支払いに利用できます。
ユーザは、学生証の発行会社または学校が提供するAppを使用してAppleウォレットにカードを追加します。その際に行われる技術的なプロセスは、カード発行会社のAppからクレジットカードまたはデビットカードを追加するで説明している内容と同じです。また、発行に使用するAppは、学生証情報へのアクセスを保護するアカウントで2ファクタ認証をサポートする必要があります。1枚のカードは、同じApple IDでサインインしている最大2台の対応Appleデバイスで同時に設定できます。
複数世帯住宅
対応するパートナー施設のテナントとスタッフは、Appleウォレットのホームキーを使って建物、ユニット、共用部分にアクセスできます。ホームキーはパートナーが提供するAppからプロビジョニングできます。手間のかからないプロビジョニングに対応したパートナーでは、建物の管理者がテナントの希望に合わせた連絡方法(メールやSMSなど)でプロビジョニング開始用のリンクをテナントに送信し、リンクをクリックすればキーを使えるようにできます。App Clipでも安全でシームレスな体験が提供されます。パートナーのAppをインストールせずにキーをプロビジョニングできます。詳しくは、Appleサポートの記事「iPhoneでApp Clipを使用する」を参照してください。
ホームキー
Appleウォレットのホームキーを使用すると、iPhoneまたはApple Watchをタップするだけで、対応しているNFCドアロックを解錠できます。ホームキーの設定と使用について詳しくは、Appleサポートの記事「iPhoneのホームキーでドアを解錠する」を参照してください。
1人がホームキーを設定すると、その世帯の居住者全員も自動的にホームキーを受け取ります。ホームキーをさらに共有したり、共有ホームのメンバーを削除したりする場合は、ホームの所有者が「ホーム」Appを使って参加依頼とメンバーを管理できます。ホームキーのあるホームへの参加依頼をユーザが承諾すると、そのユーザのデバイスのAppleウォレットにホームキーのプロビジョニングが開始されます。ユーザがホームへの参加をやめるか、ホームの所有者がアクセスを取り消すと、Appleウォレットからもホームキーが削除されます。
車のキー
Appleウォレットにデジタルに車のキーを保存する機能は、対応したiPhoneデバイスおよびペアリングされたApple Watchデバイスでネイティブにサポートされています。車のキーは(Appleが自動車メーカーの代理として作成した)Appleウォレット内のパスとして表現され、Apple Payカードのライフサイクル全体(iCloud紛失モード、リモートワイプ、ローカルパス削除、すべてのコンテンツと設定を消去)に対応しています。通常のApple Payカード管理に加えて、共有した車のキーはオーナーのiPhone、Apple Watch、車両のヒューマンマシンインターフェイス(HMI)から削除することができます。
車のキーは、車両の解錠/施錠とエンジンの始動、または車両をドライブモードにセットするために使用できます。「標準トランザクション」は相互認証を提供し、エンジン始動には必須です。解錠/施錠のトランザクションでは、パフォーマンス上の理由で必要な場合は「高速トランザクション」を使用する場合があります。
キーの作成は、自分が所有する、サポート対象の車両とiPhoneをペアリングすることで行います。すべてのキーは楕円曲線(NIST P-256)オンボード鍵生成(ECC-OBKG)に基づいて組み込まれたSecure Element上で作成され、秘密鍵がSecure Elementを離れることはありません。デバイスと車両の間の通信にはNFCまたはBluetooth LEとUWBの組み合わせが使用され、キーの管理にはAppleから自動車メーカーサーバへのAPIと相互認証済みTLSが使用されます。キーがiPhoneとペアリングされたあと、そのiPhoneとペアリングされているすべてのApple Watchでもキーを受信できます。車両またはデバイスのいずれかでキーが削除されると、キーは復元できなくなります。紛失したデバイスや盗まれたデバイスのキーは一時停止してから再開できますが、新しいデバイスに再度プロビジョニングするには、新しくペアリングしたり共有したりする必要があります。