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kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

田崎史郎曰く「高市さんは政策の人、安倍さんは政局の人」だって? まさか!

 初めにコメント欄で教えていただいた話をすると、立民の長老のひとり・岡田克也は大の議員定数削減推進論者だそうだ。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 Avalog

岡田克也は12/3のTBSラジオ荻上チキ「Session」に出演し、
定数削減は必要だと言っていました。
荻上は定数削減反対の論陣を張って相当岡田に食い下がりましたが、
岡田は最後まで荻上に同調しませんでした。

 

 立民の古参議員の中には岡田や野田佳彦(野ダメ)のような、かつての民主党時代の「比例80議席削減」の精神は根強く残っているということか。

 この衆院議員定数新自由主義政党の「身を切る改革」の定番で、かつては渡辺喜美の「みんなの党」がもっとも熱心だった。その渡辺は現在東京の地域政党である「自由を守る会」に関与している。地盤は東京都東部でボスは江戸川区選出都議の上田令子、上田の一番弟子が江東区選出都議の三戸安弥である。これらの地方議員が「新自由主義極右」の括りに入れられる人たちであるとの認識は、残念ながら地元でもあまり浸透していない。彼らも減税主義者なので、都議選で野党候補がいくら「消費税減税」を訴えても、減税なら「自由を守る党」で間に合っているとばかりに上田や三戸にかつての革新票が奪われて共産党議席を失う現象が今年の都議選でみられた。由々しき問題だと思う。

 一方、「みんなの党」系の国会議員は今も立民などに残っている。その中でもっとも有力な新自由主義議員が江田憲司だ。

 

www.nikkei.com

 

立民有志、消費税5%案 党執行部に提言へ

2025年12月11日 19:25

 

立憲民主党の有志議員による勉強会「不公平税制の抜本改革で消費減税の財源をつくる会」(会長・江田憲司元代表代行)は11日、国会内で会合を開き、消費税を一律5%に引き下げる法案の骨子をまとめた。近く党執行部に提言する。江田氏は会合後、記者団に「野党連携の機運を高める材料にしたい」と述べた。

骨子では、税負担の公平性確保の重要性を強調。所得税法人税、金融所得課税に関し、所得に応じて税率が上がる累進性を適正化するよう求めた。〔共同〕

 

日本経済新聞より)

 

URL: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA11AQ80R11C25A2000000/

 

 

 もっとも江田らの主張には直接税の増税は含まれているようだ。要するにアメリカのような「小さな政府」の国の税制を目指すという主張だろう。

 これに対して、あらゆる税目の増税は認められないとするのが、日本版MMTの影響を受けた人たち(その典型例が菊池誠)の主張だ。

 最近になってようやく高市早苗が頼っているのが高橋洋一であることが広く知られるようになってきた。私などなんだ、今頃気づいたのかと毒づきたくもなるが、高市は岸田・石破両政権時代には自民党反主流派としていわゆる「ハンキン(反緊縮)」界隈にずいぶん接近してきた。だから今年初めの頃に亡くなった森永卓郎などは高市をずいぶん買っていて、昨年の自民党総裁選に小林鷹之が出馬したのは「財務省による高市早苗さん潰しだ」などという陰謀論を垂れ流していた。私は森永は晩節を汚したと認識している。

 しかし高市はなんといっても自民党の政治家なので、自身がどうしてもやりたいドラスティックな軍拡の財源に直接税を充てるという岸田文雄の政策を踏襲しようとしている。

 あろうことかそれを「評価」しているのが「駅前は朝の七時」だ。

 

 

 その増税が何のために行われるかを「駅前は朝の七時」は考えていないか、またはよくわかっているけれども「高市軍拡」を支持しているから頬被りしているのかは知らない。いずれにしても発信者が右翼であることはよくわかるが。

 こういう人たちのあり方を表す言葉が「権威主義」だろう。

 要するに敵は大きく分けて「新自由主義者」と「権威主義者」だ。その両方を兼ね備える人たちもいる。その例が先日批判した「蓼丸ガネメ」だが、先日の記事では誤って「夢丸ガネメ」と表記してしまった(元記事は訂正済み)。訂正を兼ねて再度批判する。

 

 

 プロフを見ると「蓼丸ガネメ」は「東北地方都市の零細企業経営者」とのことだが、岸田文雄石破茂のような旧来自民党政治家を支持すると自認しているようだ。しかし先日批判した下記Xの思想は旧来自民党政治家のそれとは一致しない。

 

 

 戦争をやったり、その準備をするために軍事費を拡大したりする時には政府は直接税を増税して財源とするのが普通だ。総動員体制とはそういうものであって、国威をかけて軍事力を行使する時には持てるものから順番に多くを負担してもらう。それが戦争という「おおごと」を起こす時の覚悟というものだ。

 岸田文雄石破茂にはそうした認識があるが「蓼丸ガネメ」にはない。単なる新自由主義者権威主義者とのハイブリッドでしかないのである。高市早苗も本来は「蓼丸ガネメ」と似た類型の人間だが、自民党の政治家という制約があるから3年前に大ミエを切ったことを頬被りして所得税増税を言い出している。

 

 

 これは異なことを。

 高市早苗にいったいどんな「政策」があるというのだろうか。

 高市は、その時その時の右派に人気のある潮流を追い求めてそれに乗っかっているだけの人間だ。あんなのは本当に政治家とはいえず、単なる人気取りの「極右ポピュリスト」でしかない。現在は、というより少し前までは右も左も「日本版MMT」がトレンドだったから、確かかつてはMMTを批判していたはずの高橋洋一の口車に乗って、困ったらすぐ高橋に相談して財政規模を拡大したがる。

 今は明らかにインフレなので、むしろ緊縮財政支出を基本としつつ、いわゆるグリーンニューディールなど、本当に必要な分野にのみ「積極財政」を行うことが望ましいと私は考えている。その基準からすると高市の政策は「バラマキ」でしかない。そう、今は「バラマキ」という言葉で政権の政策を批判できる何十年ぶりかの時代に入ったと私は認識している。

 高市政権は百害あって一利なしの最低最悪の政権だ。一日も早く退陣に追い込まなければならない。

高市早苗、議員定数「1割」削減の理由は「民主党が提出したから」とトンデモ答弁(呆)/「立憲民主党は定数削減自体に反対しないとダメだと思うのだが。過去の発言が足を引っ張っている」(ブコメより)

 議員定数削減をめぐる与野党の論戦が低調だ。

 まず取り上げるのは立民幹事長の安住淳のコメント。下記は 9日の立民北海道総支部連合会のX。

 

 

 しかし弊ブログが下記記事で問題視した通り、先月末に安住自身が「議員定数削減ありきで小選挙区と比例の削減比を適正にした対案を出す」と言っていた。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 おそらく、立民代表の野田佳彦(野ダメ)が「定数削減を前提として削減比を変える対案を出すと言え」と指示したものだろう。安住はそれに従ったものの、本心では定数削減には熱心ではないのではないかと推測される。

 そして首相・高市早苗からは下記のトンデモ答弁が飛び出した。

 

www.asahi.com

 

 上記は無料記事。以下に引用する。

 

高市首相、議員定数「1割」削減の理由は「民主党が提出したから」

国吉美香 2025年12月10日 10時45分

 

 高市早苗首相は10日午前の衆院予算委員会で、自民党日本維新の会衆院議員定数(465)の削減数を「1割」で合意した理由について、「以前に民主党から提出された(法案)がおおむね1割削減だった。それが納得感が得られるレベルではないかといった話し合いがあった」と述べた。立憲民主党奥野総一郎氏への答弁。

 

 立憲の源流となる民主党は政権与党時代の2012年、「一票の格差」是正に向けて小選挙区定数を「0増5減」し、議員定数を減らすため比例区定数を「40削減」する法案を衆院に提出していた。首相の答弁に対し、奥野氏は「10年以上前の多党化が進む前の話だ。人口動態も変わって議席が都市部に集中している。必ずしも納得感があるとは言えない」と反論した。

 

 与党が提出した定数削減法案については、首相は「総理大臣としてはお答えを控える」などと繰り返した。国会審議についても「いつ採決をされるかは国会に委ねられる。総理大臣として答弁はできない」と言及を避けた。

 

朝日新聞デジタルより)

 

URL: https://www.asahi.com/articles/ASTDB0DV9TDBUTFK006M.html

 

 どうやら高市も安住と同様に本心では定数削減に関心などないらしい。それにしても驚くべき無責任な答弁ではあるが。もちろんブコメで批判されている。

 

高市首相、議員定数「1割」削減の理由は「民主党が提出したから」:朝日新聞

なぜ自分達があれほど悪夢と否定しまくった政党の提案を今更立法根拠にするんです?そんな程度の根拠ならそこまで急ぐような案件でもないですよね。そもそも10年以上も放置してたんですし

2025/12/10 15:24

b.hatena.ne.jp

 

高市首相、議員定数「1割」削減の理由は「民主党が提出したから」:朝日新聞

民主党は既に存在せず、今の自民党旧民主党の方針を受け継がねばならない理由など無い。議員定数という民意の反映に影響を及ぼす大事ですら、高市早苗は根拠を示せない。無駄に働くくらいなら余計なことをするな。

2025/12/10 14:34

b.hatena.ne.jp

 

 そうだな。無駄に働くならまだしも、日本の政治、ひいてはこの国にダメージを与えるような「仕事」(もちろんその実体は悪事)のために未明の3時から官僚を道連れにして「働く」くらいならその時間を睡眠に当てたほうが「お肌」とやらはもちろん、健康にも生命にも良い。

 しかし私が問いたいことは下記ブコメに凝縮されている。

 

高市首相、議員定数「1割」削減の理由は「民主党が提出したから」:朝日新聞

立憲民主党は定数削減自体に反対しないとダメだと思うのだが。過去の発言が足を引っ張っている

2025/12/10 11:13

b.hatena.ne.jp

 

 本当にその通りだ。

 しかしもっと言えば、「足を引っ張っている」のは「過去の発言」だけではない。

 現立民代表・野田の「定数削減は私の政治家としての悲願だ」とかいうトンデモコメントこそ立民の足を引っ張っている最たるものではないだろうか。

 そもそも立民の各政治家は定数削減に対していかなるスタンスなのか。

 枝野幸男岡田克也が定数削減自体に否定的であることは知っている。

 それでは昨年の代表選で枝野ともども野田に負けた泉健太はどうかと思ってネット検索をかけたら下記Xがヒットした。

 

 

 どうやら泉も定数削減に否定的らしい。しかし定数削減の否定にまでは踏み込んでいない。ほぼ間違いなく野田が定数削減論者であるために遠慮しているだろう。

 同じく代表選で野田に負けた吉田晴美は泉より腰が引けている。

 

 

 吉田は議員定数は「(今臨時)国会の優先項目ではない」としか言っていない。その代わりに、春に江田憲司らとともに野田にのませた「食料品の消費税ゼロ」などと言っている。こと定数削減の件に関しては4人の代表選候補者の中で野田に次いでダメなのがこの吉田だ。

 それにしても、党首(政党代表)の権力は大きいものだと改めて思わされる。

 やはり現在の立民の最大のガンは野田佳彦(野ダメ)だ。本当なら、立民代表は「13年前の民主党は確かに議員定数削減を言っていたが、現在の立民は議員定数削減自体に反対だ」と明言しなければならないところだ。それを言わないから、今回高市が(恥ずかしげもなく)答弁したように、「あんたらが昔言うてたことやろ」でおしまいだ。あんなことを言われてもなお、野田は口が裂けても「議員定数自体に反対だ」とは言えないのだろう。

 高市、維新、野田の三者の中でも、一番議員定数削減への思い入れが強いのは野田ではないかと私は思っている。

 やはり立民は代表を代えるしかない。

自民党内非主流派時代に「防衛増税」に反対しながら首相になると軍拡のための所得税増税を言い出す高市早苗もひどいが、軍事費も消費税から賄えという「蓼丸ガネメ」やそれを肯定的に紹介した「駅前は朝の七時」はもっとひどい究極の「トンデモ新自由主義極右」だ

 高市軍拡と増税の関係について批判したいが、今朝は悪夢を見たせいかあまり気力が出ないので、AIの回答を使った手抜きの記事になる。

 首相・高市早苗は岸田政権時代には「軍備増強の財源は『防衛国債』で賄え」という立場だった。周知の通り岸田が打ち出したのは直接税(主に所得税法人税)の増税だったので、高市は下記のように公然とそれに反旗を翻していた。2022年のことだ。

 

 

 

 しかし高市はいざ自分が総理大臣になったら岸田と同じ政策をとることになった。

 ところが反政権のはずの右派民主・民進系から高市を「評価」するトンチンカンな意見を言い出している人たちがいる。そのうちの一人が例の「駅前は朝の七時」だ。

 

 

 なんとこの人は、高市の「軍拡のための増税」を公然と支持している。

 これなんかもっとひどい。

 

 

 「駅前は朝の七時」が好意的にリンクしているのは下記X。

 

 

 この「蓼丸ガネメ」というアカは典型的な「新自由主義右翼」だろう。いやその程度の言い方では甘すぎる。「トンデモ新自由主義極右」だ。

 消費税には景気に左右されない税収という性格があるところから、社会保障のために用いられるというのが世界的な標準で、だから北欧の社会民主主義国では間接税の税率が高いのだろうと私は思っている。面倒なのでAIに聞いてみたら下記の答えだった。

 

 

 ところが「蓼丸ガネメ」はそれすらも「消費税で賄え」と言い、それを民主・民進系右派支持層の「駅前は朝の七時」が肯定的に紹介する。

 軍事費は平和な世界ならば不要で、冷戦時代でさえGDP比1%未満に抑える政策でやっていけたのに、トランプの言いなりになってドラスティックな軍拡を目指す岸田や石破や高市らの政治に私は大反対だが、それでも彼らはまだ直接税でそれを賄おうとしている。かつての戦争中にも極端な累進課税などで戦費を賄った。所得税ではなく法人税の話だが、AIは下記のように答えた。

 

 

 歴史的には戦争のための費用は主に直接税で賄われてきた。だから戦時には持てる者とそうでない者との格差が縮小するのが常だった。それに対し、平時ではどうしても富裕層や地主、大企業などの発言力が強いために格差が拡大する。その歴史的分析を踏まえて、平時でも格差が縮小するようなシステムを目指すのがトマ・ピケティらの考え方だ。

 それに対して、「蓼丸ガネメ」のXやそれを肯定的に紹介する「駅前は朝の七時」は、戦時であっても格差を縮小させないトンデモ社会を目指しているようにしか私には見えない。労組系の人であるらしい「駅前は朝の七時」はともかく、「蓼丸ガネメ」とはどんな階層(階級)に属する人間なのだろうかと思ってしまう。

 これでは高市よりもさらにひどい「トンデモ新自由主義極右」としか言いようがない。

 反政権勢力の中にはそんなどうしようもない人たちもいるということだ。

高市内閣支持率がピークアウトか

 前回82%というとんでもない高支持率を叩き出したJNN調査の内閣支持率が76%に落ちた。まだまだ論外の高さではあるが、異常極まりない「高市バブル人気」もピークアウトした可能性がある。

 以下三春充希氏のXより。

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後の方でリンクした「リアルタイム得票数推定」や「リアルタイム議席数推定」などを見ると、自維政権が何かやらかすたびに「ゆ党」の参政党や民民の勢いがやや下がり、立民が「野党第一党効果」で相対的に野党間では突出する傾向がある。しかし立民代表の野田佳彦高市に対して妙に親和的で、議員定数削減の話が特に顕著な例だけれども、基本的なところで野田が高市や維新に同調したりしているので、どうしても立民に勢いが出ない。

 繰り返すが、自民は高市を、そして立民は野田を、それぞれ一日も早く党首の座から下ろすべきではないだろうか。

「衆院定数削減 憲政の常道に反する暴論だ」(読売社説)/高市早苗、維新、野田佳彦はどう反論する?

 自維政権(高市早苗と維新)や立民の無能な代表・野田佳彦らが「衆院議員定数削減」ありきで暴走しようとしているが、日本の代表的な保守系新聞である読売新聞が社説や幹部記者の署名記事で定数削減ありきで暴走する国会を強く批判した。既に毎日と朝日が同法案を批判しているので、この法案に関してはかつての三大紙が揃って政権を批判していることになる。

 

 

 このように読売の社説は、維新が言い出して、それに高市がいとも簡単に乗っかった、45議席の期限付き強制削減の「イキり法案」を強く批判した。

 

 

 吉田晴美は消費税に関して江田憲司分派に乗っかった点は評価しないが、定数削減反対に対しては野ダメとは違ってまともな主張をしているようだ。

 

 

 「議員定数削減は私の政治家としての悲願だ」とか抜かしていた野ダメは読売の議員定数削減批判にどう反論するんだろうね。

『混沌の時代の自由討論会』の新着記事「現代と昭和初期の政治比較 ― れいわ新選組は社会大衆党の轍を踏むな」(佐藤周一さん, 12/7)、「漂流労組 〜総同盟と産業報国会を乗り越えて」(レバ子さん, 12/7)

 『混沌の時代の自由討論会』に昨日 (12/7)、下記2件の記事が公開されました。執筆者は下記リンク1件目が佐藤周一さん、同2件目がレバ子さんです。

 

free-discussion-in-time-of-chaos.hatenadiary.com

 

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選挙制度改革の議論で後手後手に回り、何をやりたいのかがはっきりしない野田佳彦に呆れる

 高市早苗政権と立民の野田佳彦(野ダメ)執行部はともに無能もいいところで、与党と野党第一党がこの惨状では日本の政治も経済も滅茶苦茶になる。そういう強い危機感を私は持っている。

 高市早苗は大学を卒業するまでの学業では優秀だったに違いなかろうし、その後テレビに出まくった経験から視聴者に媚びる技術は身についているし、処世術では自らの力を恃みつつ権勢に強い者には臆面もなく媚びまくる生き方をしてきた。いわゆる「おじさまキラー」というやつだ。私が昔よく見ていたプロ野球では、星野仙一の生き方によく似ていると思う。特に星野が1982年に引退して1986年のシーズン終了後に中日の監督になるまでの期間に、星野は「おじさまキラー」ぶりを発揮して川上哲治を代表とする「おじさま」たちを籠絡していった。似たような行き方はサラリーマンでも上昇志向の強い人たちにしばしば見られる。社内の特定の権力者の心を掴み、その引きで出世するるやり方だ。星野にとっての川上に対応する人間が、高市にとっては安倍晋三だった。安倍は一時期は稲田朋美を「ともちん」と呼んで入れ込んだりしたが、稲田が社会の流れをある程度読んで、一時期のネトウヨに方向性から転換して以来、安倍の寵愛の対象は稲田から高市へと移った。高市は安倍の心を掴むまでは一般には「終わった政治家」とみられていたが一転して歳をとってから総理大臣候補に急浮上したのだった。

 その安倍も高市に「政治は一人ではできない」と助言したらしいが、上の者に媚びることには熱心だったが群を作ってボスになるやり方は好まなかった高市が安倍の助言を受け入れなかったために、最晩年には「あれは総理大臣にしてはならない人間だ」と認識を改めたという説がある。おそらくその通りだろう。しかしそんなさなかに安倍は銃殺された。「安倍に見込まれた高市」という安倍自身が作り上げた印象を覆すことができずに安倍はあの世に行ってしまった。最近では、高市に籠絡されたばかりとみられる麻生太郎高市の強情さに苛立ちを隠せない様子が報じられている。

 安倍は52歳で総理大臣になり、53歳で一度退陣を余儀なくされる憂き目を見たあと政界遊泳術を研究して再起し、長期政権を築いた。また高市が敬愛するというマーガレット・サッチャーは54歳で首相になって最初の3年間ほどは政権運営に苦労したが、フォークランド紛争(実質的には戦争)の強硬手段で人気を得て長期政権につなげた。高市は台湾有事でサッチャーの再現を狙っているのがありありだが、kazukazu氏が指摘した通り高市が似ているのはアルゼンチンで軍事政権を率いたレオポルド・ガルチェリであってサッチャーではない。サッチャーに似ているのは習近平だとはこの前に書いた。

 高市は経済政策もひどい。何しろ総理大臣になる前には少し前まで左右双方を影響しまくっていた日本版MMTの潮流に乗っかっていた。今でも高市は経済問題ではよく高橋洋一に相談するという。だから高橋の高市に対する評価は滅茶苦茶に甘く、高市を絶賛し続けている。著書などでその高橋をろくに批判できずに今まできているのが松尾匡であることはよく認識しておいた方が良い。その松尾が山本新選組をダメにしたと私は考えている。新選組は今年3月までは日の出の勢いだったが、経済政策の根っこの一部を参政党や高市一派と共有していたのが仇となってその後大きく失速し、先月の葛飾区議選では定数40に対して1人の候補者を立てたものの当選させることができなかった。その前の6月の都議選でも、23区西部のいくつかの区で議席が獲得できるのではないかとみられていたが、結局獲得議席はゼロで、都議選での議席獲得は難しいと見られていた参政党が3議席を獲得した。MMT政治勢力の中心は新選組から参政党へと移るとともに、自民党内でMMT系人士とのつながりがある高市が総理大臣になったというのが今年の政治の流れだ。

 その新選組公明党ともども、選挙制度として都道府県単位の比例代表制を考えているらしい。以下は玉木雄一郎のX。

 

 

 玉木がリンクした読売の記事から以下に一部を引用する。

 

中選挙区制」に与野党の支持広がる…衆院選挙制度の「抜本的見直し」目指す超党派議連で「連記制」などの案

12/6(土) 8:02配信

 

(前略)議連幹事長を務める有志の会の福島伸享衆院議員は5日の国会内での会合後、記者団に議論加速への期待を示した。8党派が意見表明した会合では、国民民主、共産両党と衆院会派「減税保守こども」が党派としての案を、ほかは参加者の私案を提示した。自民、維新、立憲民主、国民民主、減税保守こどもの5党派が中選挙区制を掲げた。

 現行の衆院小選挙区比例代表並立制は、2大政党制の実現や「政治とカネ」の問題の解消を目的に1994年に移行が決まり、96年衆院選から導入された。選挙区で1人しか議席を得られず、議席に反映されない「死に票」が多いとの課題が指摘されてきた。

 中選挙区制は1選挙区で3~5人ほどが当選するため中小政党も議席を得やすい。複数政党の候補が当選でき、連立構想が描きやすくなると見る向きもある。会合で立民の津村啓介衆院議員は「連立政権の枠組みを選択できる」と訴えた。

 公明とれいわ新選組都道府県や政令指定都市などを選挙区の単位とする比例代表制を唱えた。公明の岡本政調会長は「政党名でも投票できる区割りのいらない中選挙区制とも言える」と説明した。

 現行制度に移行前の中選挙区制は、1人の名前を書く「単記制」だったが、超党派議連では「連記制」派が目立つ。中選挙区時代は政党内で争うため、自民は派閥間の対決が主流だった。利益誘導を競い合う傾向が強まり、「金権政治の温床」との批判も浴びた。国民民主の玉木代表は連記制により「(同一政党の候補が)協力する戦術もとれる。派閥の弊害を最小にできる」と語る。

 もっとも、立民の野田代表が「中選挙区は明らかにお金がかかった」と指摘するなど、慎重な意見も少なくない。議論の活性化に向け、議連は来週にも、衆院議長の下に設置された与野党の「衆院選挙制度に関する協議会」で各党の正式案を議論するよう求める提言を額賀議長らに提出予定だ。

 

(読売新聞オンラインより)

 

URL: https://news.yahoo.co.jp/articles/fe9a4550582cbe0c3820c2379891c5057795893e

 

 記事を見ると、立民の中にも中選挙区制を言い出した議員がいるらしい。野田佳彦の意見は少数意見として取り上げられている。

 野田は下記のXをポストしていた。

 

 

 野田のXの全文は下記。

 

与党が進めようとしている定数削減の乱暴な議論に際して、にわかに中選挙区制が注目されています。中選挙区制での選挙を経験した数少ない現職議員の1人として、私は実感として、その導入に極めて慎重な立場です。

 

同じ選挙区から同じ政党の公認候補が複数立候補するため、地元活動では、お葬式やお祭りなど、日常の些細な事まで競争が起こり、永田町では派閥政治が横行しました。選挙区が広くなる分、政治活動の費用もかさみ、組織票への依存が強まるため、政治とカネの問題が生じやすくもなります。

 

直近の衆参の選挙で、与党が過半数割れとなったことは、政治改革を求める国民の大きな声があったからです。金権政治や派閥政治が横行したあの時代へ巻き戻してはいけません。政治改革を前に進めるためにも、中選挙区制よりは、現行の小選挙区制を軸に議論を進めていくべきです。

 

URL: https://x.com/NODAYOSHI55/status/1996913674779500983

 

 自民党の魂胆にあるのは定数3で2人に投票する中選挙区連記制で、これは現行の小選挙区比例代表並立制よりもさらに自民党に有利な制度である。これを阻止すべく公明や新選組は「都道府県や政令指定都市などを選挙区の単位とする比例代表制」を唱えているという。具体的な内容は知らないが、とりあえず方向性は示している。

 それに対して、野田佳彦はいったいどのような制度を目指しているのかがよくわからない。この前はおそらく幹事長の安住淳に指示して「議席削減が比例だけだったら小選挙区とのバランスを考慮した対案を出す」と言わせていたが、実際に自維が小選挙区25、比例20の削減案を出してきたら、立民は「議論がまとまらなかったら1年後に45議席を自動削減」の部分のみ反対だとの主張に変わった。これでは自維案との距離はそんなにないことになる。

 こうした定数削減についての野田の反応には、あの右翼の「駅前は朝の七時」までもが呆れて下記のXをポストした。

 

 

 参院選後に野田を降ろすべきだったというのには同感だが、「駅前は朝の七時」の本命は泉健太であり、その泉のカムバックにも私は反対だ。

 野田のよくわからない態度には、親野田とみられる軍畑先輩も批判のXをポストした。

 

 

 実際高市政権に代わってからの野田は実にひどい。高市のアシスト役を務めているようにさえ見える。

 野田のシンパたちは少し前まで、昨年の自民党総裁選で高市早苗が選ばれることを想定して、高市に対しては安定感のある野田が一番良いと思って野田を選んだのに、立民との差異が高市より小さい石破茂が総理総裁になったから野田はやりにくかった、でも高市に代わったから今後は野田の本領が発揮できるはずだ、などと言っていた。

 しかし高市政権成立後の展開を見ると、石破よりも高市の方が野田との距離が元々近かったのではないかと思える惨状を呈している。野田と高市とは、もともと松下政経塾の先輩後輩の間柄であり、同塾で高市の面接をやった野田が高市に二重丸をつけた、などと嬉しそうに言っているのを見て私は猛烈に腹が立った。

 立民は今からでも遅くないから野田佳彦を代表の座から下ろすべきではないだろうか。

 なお私は公明や新選組の「中選挙区比例代表制」が具体的にどのようなものかに少し興味がある。

 最近の高市政権の異常人気を含めて、民意が大きく危険な方向に偏ることが増えてきたこともあって、これまでずっと唱えてきた小選挙区比例代表併用制またはそれに準じる制度を、という弊ブログの主張が少し揺らいでいるのが正直なところ。