初めにコメント欄で教えていただいた話をすると、立民の長老のひとり・岡田克也は大の議員定数削減推進論者だそうだ。
立民の古参議員の中には岡田や野田佳彦(野ダメ)のような、かつての民主党時代の「比例80議席削減」の精神は根強く残っているということか。
この衆院議員定数は新自由主義政党の「身を切る改革」の定番で、かつては渡辺喜美の「みんなの党」がもっとも熱心だった。その渡辺は現在東京の地域政党である「自由を守る会」に関与している。地盤は東京都東部でボスは江戸川区選出都議の上田令子、上田の一番弟子が江東区選出都議の三戸安弥である。これらの地方議員が「新自由主義極右」の括りに入れられる人たちであるとの認識は、残念ながら地元でもあまり浸透していない。彼らも減税主義者なので、都議選で野党候補がいくら「消費税減税」を訴えても、減税なら「自由を守る党」で間に合っているとばかりに上田や三戸にかつての革新票が奪われて共産党が議席を失う現象が今年の都議選でみられた。由々しき問題だと思う。
一方、「みんなの党」系の国会議員は今も立民などに残っている。その中でもっとも有力な新自由主義議員が江田憲司だ。
立民有志、消費税5%案 党執行部に提言へ
2025年12月11日 19:25
立憲民主党の有志議員による勉強会「不公平税制の抜本改革で消費減税の財源をつくる会」(会長・江田憲司元代表代行)は11日、国会内で会合を開き、消費税を一律5%に引き下げる法案の骨子をまとめた。近く党執行部に提言する。江田氏は会合後、記者団に「野党連携の機運を高める材料にしたい」と述べた。
骨子では、税負担の公平性確保の重要性を強調。所得税や法人税、金融所得課税に関し、所得に応じて税率が上がる累進性を適正化するよう求めた。〔共同〕
(日本経済新聞より)
URL: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA11AQ80R11C25A2000000/
もはや教条主義です。 https://t.co/g3dUPXiZMf
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年12月11日
もっとも江田らの主張には直接税の増税は含まれているようだ。要するにアメリカのような「小さな政府」の国の税制を目指すという主張だろう。
これに対して、あらゆる税目の増税は認められないとするのが、日本版MMTの影響を受けた人たち(その典型例が菊池誠)の主張だ。
最近になってようやく高市早苗が頼っているのが高橋洋一であることが広く知られるようになってきた。私などなんだ、今頃気づいたのかと毒づきたくもなるが、高市は岸田・石破両政権時代には自民党反主流派としていわゆる「ハンキン(反緊縮)」界隈にずいぶん接近してきた。だから今年初めの頃に亡くなった森永卓郎などは高市をずいぶん買っていて、昨年の自民党総裁選に小林鷹之が出馬したのは「財務省による高市早苗さん潰しだ」などという陰謀論を垂れ流していた。私は森永は晩節を汚したと認識している。
しかし高市はなんといっても自民党の政治家なので、自身がどうしてもやりたいドラスティックな軍拡の財源に直接税を充てるという岸田文雄の政策を踏襲しようとしている。
あろうことかそれを「評価」しているのが「駅前は朝の七時」だ。
高市早苗政権のいいところ、高支持率に任せて増税を通そうとしてるところだけなので、ここに取り掛かる前に失言連打で支持率溶け切ったり増税撤回しようとしたら何一つ褒められることはなくなり歴代ワーストクラスの評価をせざるを得ない
— 駅前は朝の七時 (@ystak13am7) 2025年12月11日
その増税が何のために行われるかを「駅前は朝の七時」は考えていないか、またはよくわかっているけれども「高市軍拡」を支持しているから頬被りしているのかは知らない。いずれにしても発信者が右翼であることはよくわかるが。
こういう人たちのあり方を表す言葉が「権威主義」だろう。
要するに敵は大きく分けて「新自由主義者」と「権威主義者」だ。その両方を兼ね備える人たちもいる。その例が先日批判した「蓼丸ガネメ」だが、先日の記事では誤って「夢丸ガネメ」と表記してしまった(元記事は訂正済み)。訂正を兼ねて再度批判する。
ここ何年か戦争や疫病や震災という国難のなか、自民の主流派が踏ん張って現状維持に努めてくれたけれど、とうとう世界的なポピュリズムの流れに抗しきれなくなり、国民も自民党内でさえも「低きに流れる」風潮に染まってしまったと思う
— 蓼丸ガネメ (@jeosg7393) 2025年12月9日
潮目が変わった以上、我が家の大黒柱として大方針変える時だなあ
プロフを見ると「蓼丸ガネメ」は「東北地方都市の零細企業経営者」とのことだが、岸田文雄や石破茂のような旧来自民党政治家を支持すると自認しているようだ。しかし先日批判した下記Xの思想は旧来自民党政治家のそれとは一致しない。
増税は「支持率高いうちにやって欲しいことリスト」ではあるのだけれど、所得税や法人税は「働いてる現役世代から取る税」なので、引退世代や外国人旅行者からも取る消費税が本丸じゃないの?とは思う。 https://t.co/aGGXkzuRYF
— 蓼丸ガネメ (@jeosg7393) 2025年12月4日
戦争をやったり、その準備をするために軍事費を拡大したりする時には政府は直接税を増税して財源とするのが普通だ。総動員体制とはそういうものであって、国威をかけて軍事力を行使する時には持てるものから順番に多くを負担してもらう。それが戦争という「おおごと」を起こす時の覚悟というものだ。
岸田文雄や石破茂にはそうした認識があるが「蓼丸ガネメ」にはない。単なる新自由主義者と権威主義者とのハイブリッドでしかないのである。高市早苗も本来は「蓼丸ガネメ」と似た類型の人間だが、自民党の政治家という制約があるから3年前に大ミエを切ったことを頬被りして所得税増税を言い出している。
— こたつぬこ🌾木下ちがや (@sangituyama) 2025年12月11日
これは異なことを。
高市早苗にいったいどんな「政策」があるというのだろうか。
高市は、その時その時の右派に人気のある潮流を追い求めてそれに乗っかっているだけの人間だ。あんなのは本当に政治家とはいえず、単なる人気取りの「極右ポピュリスト」でしかない。現在は、というより少し前までは右も左も「日本版MMT」がトレンドだったから、確かかつてはMMTを批判していたはずの高橋洋一の口車に乗って、困ったらすぐ高橋に相談して財政規模を拡大したがる。
今は明らかにインフレなので、むしろ緊縮財政支出を基本としつつ、いわゆるグリーンニューディールなど、本当に必要な分野にのみ「積極財政」を行うことが望ましいと私は考えている。その基準からすると高市の政策は「バラマキ」でしかない。そう、今は「バラマキ」という言葉で政権の政策を批判できる何十年ぶりかの時代に入ったと私は認識している。
高市政権は百害あって一利なしの最低最悪の政権だ。一日も早く退陣に追い込まなければならない。
岡田克也は12/3のTBSラジオ荻上チキ「Session」に出演し、
定数削減は必要だと言っていました。
荻上は定数削減反対の論陣を張って相当岡田に食い下がりましたが、
岡田は最後まで荻上に同調しませんでした。