コース: 人工知能(AI)の基礎:機械学習

機械学習の応用例を知る

機械学習の応用範囲は広く、 あなたが利用する天気情報や 検索サービスなどにも、 機械学習が活用されています。 保有する膨大なデータの有効な活用術が 求められているところなら、 どんな分野にも役立ちます。 中でも、特に 機械学習との親和性が高いのが、 モバイルデバイスやパソコンなどに動画を 配信するウェブアプリケーションです。 データに基づいて ユーザーエクスペリエンスを 最適化するために、 機械学習が使われています。 ユーザーが動画を視聴すると、その内容、 現在地、時刻といったデータが 自然に蓄積されていきます。 この膨大なデータを 人の力で読み解くのは困難ですが、 機械学習を使うと、ユーザーの行動や 好みを深く知ることができます。 これにより、ユーザーの好みに合う 動画を上位に表示したり、 検索結果をユーザーの関心に応じて 絞り込んだりすることが可能です。 ユーザーの行動を学習して、ニーズに合う サービスを提供できるのです。 あなたを深く理解するコンピューターと 言われると絵空事のようですが、 その市場価値は高く、 Google、Facebook、Apple、 LinkedIn といった企業が代表的です。 交友関係や昔の検索履歴といった、 より深い個人のプライバシーまで 参考にしようとする企業もあります。 使うほどユーザー体験が 最適化されていく仕組みによって、 Facebook のニュースフィードも、 Google の検索結果に表示される内容も、 利用者ごとに大幅に カスタマイズされています。 ウェブサイトにある 「あなたへのおすすめ」は、 だいたい機械学習が関係しています。 Amazon は、機械学習アルゴリズムで その人の購入履歴を見て おすすめ商品を出しています。 Netflix は、機械学習で 視聴パターンを解析し、 その人に合わせた作品をおすすめします。 YouTube は、 履歴に基づいて次の動画を提示します。 機械学習が、おすすめの最適化に 役立っているのです。 機械学習は自動翻訳にも使われています。 YouTube は、自然言語処理を使って 動画の字幕も生成します。 音声をテキストに変換するのです。 機械学習を活用して、字幕を複数の言語に 変換するサイトもあります。 機械学習のプログラムは、AI を使って 膨大なデータからパターンを 見つけ出すことができます。 人には見つけられないパターンも 多くあります。 これは機械学習の大きな特徴です。 人間の学習の単なる自動化ではないのです。 人間とは根本的に異なる方法で、 パターンを発見し、決定を下し、 深い知見を得ているのです。 ビジネスに機械学習を導入するなら、 その特徴を考えることが必要です。 機械学習による顧客理解に役立つデータを 集めることが前提だからです。 機械学習に取りかかる前に、 新規の学習に十分な量と質が 確保されているかを検討する 必要があるのです。 データは、機械学習プログラムに 認識させる世界の姿です。 世界が広いほど 役立つ発見ができるのであり、 鍵穴から覗くようではいけません。 機械学習の導入を検討するなら、 まず品質と多様性に優れたデータを 集める戦略を考えましょう。

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