コース: クリティカルシンキング

フォーカス・クエスチョンを自問する

コース: クリティカルシンキング

フォーカス・クエスチョンを自問する

問題を定義していく過程では 「フォーカス・クエスチョン」を 自問自答して取り組みの範囲を明確にします。 たとえば本当の問題は何かを検討し、 ステークホルダーが求める 目的や期限を確認します。 意思決定に関わるステークホルダーや インフルエンサーは誰か、 協力してくれそうな人、 障害となりそうな人は誰か。 そして、成果を評価する方法を明らかにし、 定量的、定性的な指標を決めます。 最終的に問題が解決したかどうかを 判断するためです。 スコープを詳細に確認し、 スコープに何が含まれ、 何が含まれないのかを明確にします。 そして最後に、制約を確認します。 このように、問いに答えながら、 批判的な視点に立って考えることで、 解決すべき問題の範囲を 明らかにすることができます。 それでは、私の経験を元に、 これらの質問を使用して 問題の範囲を定める方法を説明します。 私は以前、クレジットカード会社で 集金業務の管理を担当していました。 カード利用者からの集金は、 外部の代行業者に依頼していました。 ここで解決すべき問題は、 この代行業者の効率を上げることでした。 まず、私は目的を確認しました。 目的はコストの削減と集金率の改善で、 これらを年末までに実現することでした。 これで成果の基準が明確になりました。 次に、インフルエンサーやステークホルダー について検討する必要がありました。 そこで、IT 部門と財務部門に注目しました。 技術的な変更は不可欠だし、 業者に支払う手数料を変更すれば 財務部門に影響があるからです。 次に、集金1ドルあたりの コストと手数料の割合を確認し、 そのほかの定性的な成果指標も いくつか確認しました。 問題の切り分けに関しては、 特定の事業部門に注目しました。 10 の事業部門がありましたが、 最初の解決策では、 そのうち2つに絞ることにしました。 制約についても確認する必要があり、 法規制の問題についても検討する 必要がありました。 年末までという時間の制約があり、 予算の制約もありました。 IT の予算と手数料の予算は もうすでに決まっていました。 このように、項目ごとに答えを考えていく フォーカス・クエスチョンを活用すると、 問題の範囲が明確になります。 その結果、問題の範囲に適した解決策を考え、 ステークホルダーのニーズを満たせる 可能性が高くなります。 皆さんが現在取り組んでいる問題に対して フォーカス・クエスチョンを 試してみましょう。 このようにクリティカルシンキングでは、 ニーズを確実に満たす解決策を 導き出すために、 的を絞った質問項目への答えを 時間をかけて検討します。

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