立憲民主党の辻元清美参院議員/撮影:山本二葉(写真映像部)
立憲民主党の辻元清美参院議員/撮影:山本二葉(写真映像部)
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 10月21日、自民党高市早苗総裁(64)が憲政史上初の女性首相に選ばれた。高市氏と20代からの付き合いがある立憲民主党の辻元清美参院議員(65)は、ともに女性政治家として歩んできた「戦友」の姿をどのような思いで見ているのか。インタビューに応じた辻元氏の口からは、「あんた、しっかりしいや!」と高市氏への渾身の喝が飛んだ。

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――10月4日の自民党総裁選で高市氏が勝利した際、辻元さんはXのポストで「高市さん、ガラスの天井をひとつ破りましたね」と祝意を示しました。今回、総裁のみならず首相にまで登りつめた高市氏の姿に何を思いますか。

 ものすごい努力があってこその結果でしょう。総裁選出後に公明党が連立を離脱したときは、高市早苗ピンチ!と思いましたよ。でも彼女は講演の場で「あらゆる手を尽くす」「総理大臣に絶対になってやる」と宣言しました。その鬼気迫る形相を見て、これはもう執念で首相の座をとりに来るなと。

 結果、なりふり構わず日本維新の会と連立を組むことで首班指名選挙を乗り切りました。でも維新との連立合意には相当な無理があると思います。たとえば、合意書には衆院議員定数の削減を目指すとありますが、これは、維新が言う「身を切る改革」うんぬんの話ではなく、国民の声を国会に届けるための制度設計の話であり、民主主義の根幹に関わる問題です。内閣に責任を持たない閣外協力を選んだ政党と、数日間協議しただけで進めてよいテーマではありません。

 首相になるために無理をしたツケは、今後の政権運営において回って来ると思いますよ。実際、自民党の有力議員たちは「党内で議論していないのに、なんであんな合意を交わしたんだ」と不満をこぼしていました。首班指名選挙は、参議院では高市さんに過半数の票が集まらず決選投票になりました。これは参院で法案が否決されかねないことを意味します。高市政権には、石破政権以上のいばらの道が待ち受けているでしょう。

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