はじめに 日本経済は長年にわたり「ゼロ金利」という異常な環境に置かれてきました。近年こそ名目金利はわずかに上昇しましたが、物価上昇率を差し引いた実質金利はむしろマイナス幅を拡大させています。つまり、銀行にお金を預けてもその価値は減り続けるのです。 資本主義とは本来、「お金がお金を生む仕組み」によって、人々が明日への期待や豊かさを実感できる経済システムです。しかしゼロ金利下では給与は上がらず、幸福感を得ることは難しくなります。加えて、社会保険料や税負担の増加が手取り収入を減らし続けています。社会保障費増加の原因追及や、名目金利の上昇を喜ぶ記事は見かけますが、根本的な構造問題にはなかなか目が向きま…