真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。 💭ポイント 宮中にある「黒戸」の名は光孝天皇に由来する。天皇は即位後も皇子時代の苦労を忘れず、自ら薪を焚く日課を続けた。その部屋が煤で黒くなったため「黒戸」と呼ばれる。 『徒然草絵抄』(小泉吉永所蔵) 出典: 国書データベース 🌙現代語対訳 宮中にある「黒戸」は、光孝天皇が、天皇の位におつきになってから、 黒戸くろどは、小松御門こまつのみかど、位くらいにつかせ給たまひて、 昔、臣下の身分でいらっしゃった時、 昔むかし、ただ人び…