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JKが機械の身体越しに大好きな幼馴染を寝取ったら……?【百合×NTR×セクサロイドSF】小野美由紀「春を待つ君を待つ」全文無料公開 SFマガジン2025年12月号掲載、小野美由紀さんの新作SF短篇「春を待つ君を待つ」を全文無料公開します。 小学生の頃から親友のスイに恋慕する女子高生のイブキは、ある日おぞましい計画を思いつく。それはスイの愛用するセクサロイドをハックして、彼女に気づかれないように身体を重ねることだった――。SFが描きうるジェンダー/セクシュアリティの極北に到達した、小野美由紀の最新短篇。 私が親友を壊したのは、十七歳の冬のことです。 私の名前は登志乃世トシノセイブキ。本名です。 年齢は二十歳です。この性犯罪加害者回復プログラムに参加して、もう三年近くになります。こうして体験をカウンセリングで語るのも、もう十回目になります。 はじめにお伝えすると、私が犯した罪は公にはなっていま
けんすう氏が語る「人が真に通じ合う瞬間」とは?『相手の本音を引き出す会話の正解』(10月22日発売)より序文公開 どんなに正しいことを言っても、伝わらない。 そんな経験、ありませんか? 実は、会話には「裏技」があります。 相手の脳と波長が合った瞬間、会話は驚くほどスムーズになり、本音がこぼれ出す。 それは「話術」ではなく、「科学」です。 人と人が深く「つながる」とはどういうことか?NASAの採用面接からSNSの炎上まで、あらゆる会話を解き明かした全米ベストセラーの話題作、チャールズ・デュヒッグ(渡会圭子 訳)『相手の本音を引き出す会話の正解』(原題:Supercommunicators: How to Unlock the Secret Language of Connection)は2025年10月22日発売です。 今回は、実業家けんすう氏(古川健介)による日本語版オリジナルの序文を公開
「ラーメン一杯1000円の壁」問題とはなんなのか? 井手隊長『ラーメン一杯いくらが正解なのか』まえがきを公開 従業員が集まらない、原材料や水道光熱費の高騰、外国人観光客向けの価格設定など、ここ数年ラーメンの価格は上がり続けている。 はたして、ラーメンの適正価格とはいくらなのか。気鋭のラーメンライターが「原価」という新たな視点でラーメンを捉えた『ラーメン一杯いくらが正解なのか』がハヤカワ新書より10月22日(水)に発売します。 本記事では発売に先がけ「まえがき」を公開します! 井手隊長『ラーメン一杯いくらが正解なのか』(ハヤカワ新書)書影まえがきラーメンの適正価格はいくらか。 ラーメンの価格についての記事が出るたび、人々はそれぞれの物差しを振り回して論争を繰り広げている。ヤフコメなど見ると、「高い」「昔は安かったのに」のオンパレードで、「その気持ちもわかる」と思いつつも、ラーメン店のことを思
新鋭サラ・ブルックスによる傑作SF『侵蝕列車』は、本日2025年10月8日発売です! 未知の生命体がはびこる異形の地を、列車は走る―― 1899年、シベリアは未知の生命体がはびこる異形の〈荒れ地〉と化していた。そのシベリアを横断するモスクワ行き急行が北京を出発する。父の汚名をそそごうと列車に乗りこんだ偽名の女マリヤ。天地創造の驚異を解き明かそうとする科学者グレイ。列車で生まれ、いまは乗務員を務める娘ウェイウェイ。謎の少女の出現とともに、彼らは〈荒れ地〉に侵蝕されていく――恐るべき変異の行方を新鋭が鮮烈に描き出す。 本書『侵蝕列車』は、じつはジャンルを一言では言い表しづらいSF作品ですが、そこがこの小説の魅力でもあります。 本書には牧眞司さんに解説をお寄せいただきました。牧さんによると、「じつに読みどころの多い魅力的な小説」とのこと。その読みどころとは? この牧眞司さんによる解説をこの記事で
祝!今年のノーベル物理学賞は「量子力学」。「量子コンピューター」とその基礎である「量子ビット」の原理が本書でわかる!(『世界一わかりやすい量子力学』試し読み) 2025年のノーベル物理学賞の発表が10月7日にあり、物理学賞は量子コンピューターの基礎となった研究業績を残したアメリカの科学者3氏に授与されました。3氏による「量子トンネル」に関する研究により、量子情報の最小単位である「量子ビット(キュービット)」を人工的に実現することが可能となり、人類は「量子コンピューター」の実用化に一歩近づくことができました。 今年5月に発売された、アントン・ツァイリンガー著『世界一わかりやすい量子力学』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)では、「量子コンピューター」と、その基礎である「量子ビット」の原理・仕組みについて詳細に書かれています。この記事では、「量子ビット」について書かれた章を特別に公開します。 『
M・W・クレイヴンによる大人気<刑事ワシントン・ポー>シリーズ最新刊『デスチェアの殺人 上・下』を2025年9月18日に発売いたしました。 この記事では、下巻巻末に収録されている、書評家・大矢博子さんによる「解説」を公開いたします。読者を虜にしてきた本シリーズ。その面白さの裏に潜む3つの秘密が明かされます。ぜひご一読ください。 『デスチェアの殺人 上・下』 M・W・クレイヴン/東野さやか訳 ハヤカワ・ミステリ文庫*** 解説書評家 大矢博子 二〇二二年、M・W・クレイヴンによる〈ワシントン・ポー〉シリーズの第三作『キュレーターの殺人』(ハヤカワ・ミステリ文庫、以下同)が出たとき、シリーズ最高傑作だと強く思った。切断された指と、そこから始まる不可解な連続殺人。怒濤のどんでん返しから鮮やかな結末に至るまで、これはクレイヴンの代表作になると確信した。 ところが、それからわずか一年でその確信は覆さ
『百年文通』を上梓した伴名練さんから「あとがきのあとがき」が到着しました。刊行を記念して本noteで最速公開いたします。(編集部) ―――――――― 『百年文通』時間SFに関するあとがきのあとがき 伴名練 物理書籍版『百年文通』を手に取った方には、「なぜ小説本の巻末に『時間SFガイド20』などという付録がついているのか?」という疑問が、当然ながら浮かぶことだろう。それを説明するためには、いったん二十五年ほど遡らなくてはいけない。 二〇〇〇年頃、私は高知市民図書館に収蔵されていた僅かな海外SFジュブナイル書籍を読み終え、次に何を読めばいいのか悩んでいた。そんな折にたまたま図書館で発見したのが、R・A・ハインライン他/三浦朱門訳『第四次元の小説 幻想数学短編集』(小学館 地球人ライブラリー)だった。一九五八年に米国で原著が出版され、翌年には日本で抄訳が刊行されたアンソロジー、それを一九九六年に
9月18日(木)発売、伴名練氏の『なめらかな世界と、その敵』以来6年ぶりとなる単行本『百年文通』の試し読みを掲載します。 伴名練『百年文通』 装画:かない/装幀:川谷康久インクは錆色に黒く、ページの最初にあった日附けは一八八二年五月一四日となっていた。 ジャック・フィニイ「愛の手紙」 福島正実訳 扉の向こうに、永遠を見つけた。 暖かな夕映えに沈んだ部屋は――「書斎」っていうものだと思う――目を細めなければならないほどにまばゆく、黄金色に輝いている。そこに封じ込められた光の全てが、息をしていた。 天井から吊り下げられた花びらを模したランプは、柔らかな曲線を湛えていて、ガラスでつくられているのに、ふと風に揺れそうな錯覚をもたらした。流石にもう時を刻んではいなかったけれど、童謡に歌われるような背高の大時計は、いつ鐘を鳴らしてもおかしくないほどの存在感を放っている。 旧字体のタイトルが刻まれた背表
大好評発売中、ウィリアム・ギブスン/黒丸尚:訳『ニューロマンサー〔新版〕』。「サイバーパンク」の古典的名作として知られ、1986年の邦訳刊行以来、多くの読者の方々に親しまれている本書。装幀・解説を一新し、あらたなかたちで〈スプロール〉の世界に没入ジャック・インしていただければと思っております。 ところで。 旧版から親しんでくださっているファンの方々にも、そして今回の新版で初めて『ニューロマンサー』に出会った読者のみなさまにも、ひとつだけ、おうかがいしたいことがあります。 『ニューロマンサー』って、どういう話? いったい何が起きているの? スパッとご説明できる自信のある方、いらっしゃいますでしょうか……? もちろんいらっしゃるかと思います。 一方で、「タイトルは知ってるんだけど……」「めちゃめちゃかっこいいんだけど……でも……」といった声が根強いのも事実。 続篇『カウント・ゼロ』『モナリザ・
世界を変えた天才の「はじまり」が、ここにある。マイクロソフト創業者、実業家、プログラマー、大富豪、慈善活動家、天才、努力家、読書家、オタク……彼を称する言葉は数えきれない。しかしそれらの言葉が象徴するように、彼の人生はこれまで断片的にしか語られてこなかった。 ビル・ゲイツ氏の自伝の第一巻(全三巻予定、原書:Source Code: My Beginnings )の本作では、シアトルでの幼少期から、プログラミングに初めて触れたこと、ポール・アレンとの出会い、アルタイル BASIC の開発、そして20歳でのハーバード中退と、仲間との起業までを描いています。 2025年2月に出版されるや、ニューヨークタイムズ・ベストセラー1位にランクインし、全世界36の言語で刊行されるなど、世界的に話題沸騰中! また2025年はマイクロソフト創業50周年の節目でもあります。 学校になじめなかった少年は、いかにし
きたる8月20日(水)、ついにウィリアム・ギブスン/黒丸尚:訳『ニューロマンサー〔新版〕』が発売されます。 川名潤氏による新カバーデザインの公開時には大きな反響をいただいた本書。 同時に、「続篇は復刊されるのか」、「カバー以外は変更があるのか」、「刊行にともなうキャンペーンはあるのか」など、いくつかの疑問もお寄せいただきました。 そこで本記事では、『ニューロマンサー〔新版〕』および復刊企画「ギブスン復刊計画」の概要について、改めて情報をまとめさせていただきたいと思います。 ➀今後の刊行スケジュール復刊企画「ギブスン復刊計画」は、現時点では 10月『カウント・ゼロ』 12月『モナリザ・オーヴァドライヴ』 来年1月『クローム襲撃』 の新版の刊行を予定しています。 ②装幀・解説『カウント・ゼロ』『モナリザ・オーヴァドライヴ』『クローム襲撃』各新版は、いずれも『ニューロマンサー〔新版〕』と同じく川
2025年、早川書房は創業80周年を迎えます。 読者の皆さまへ日ごろの感謝を込めて、記念作品の刊行をはじめ、名著復刊、イベント、グッズ等さまざまな企画をお届けさせていただいております。 6月には豪華装幀のアガサ・クリスティー/青木久恵 訳『そして誰もいなくなった〔特装版〕』を刊行。 それに続き、きたる8月20日にはフィリップ・K・ディック/浅倉久志 訳『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?〔Deluxe Edition〕』を刊行いたします! 装幀はハヤカワ文庫SF版『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』をはじめ、フィリップ・K・ディック作品を手掛けてきた土井宏明(ポジトロン)氏が担当。 ハヤカワ文庫SF版のデザインを踏襲しつつ、マットブラックの函+ホログラム箔の組み合わせでよりシャープかつクールに仕上がっています。 また、書籍のボディは蒸着シルバーで加工。函と対になるデザインとなっています。
【Xで話題沸騰】「居間で料理をし始める幽霊」の正体とは? 古谷博和『幽霊の脳科学』はじめに・プロローグ先行公開 早川書房は8月6日に古谷博和『幽霊の脳科学』(ハヤカワ新書)を刊行します。脳神経科学、特に睡眠分野の知見に拠って、古今東西の怪談や幽霊譚をも豊富に参照しながら「幽霊はなぜ現れるか」を論じる知的興奮の書です。この記事では本書の「はじめに」「プロローグ」を一挙公開します! 発売日:2025年8月6日 著:古谷 博和 レーベル:ハヤカワ新書はじめに 世界中どこの国にも、どの民族、どの人種にも「怪談や幽霊譚」があります。例えば世界史を見ても、カエサルを殺したブルータスのテントの中にカエサルの幽霊が入ってきて彼の死を予言したという逸話が残っていますし、日本では怨霊などの影響で長岡京が平安京に移転したといった歴史的事実があります。文学作品ではシェークスピアの『ハムレット』の父親の亡霊の話をは
ChatGPTの能力はなぜ「永遠に限定される」のか? ジェフ・ホーキンス『脳は世界をどう見ているのか』訳者あとがき 単行本が10刷超のベストセラーとなったジェフ・ホーキンス『脳は世界をどう見ているのか』(大田直子訳)が、2025年7月3日に文庫化されます。多方面で熱狂を生んだ、本書の読みどころとは? 訳者の大田直子さんが解説します。 『脳は世界をどう見ているのか』 ジェフ・ドーキンス:著 大田直子:訳『脳は世界をどう見ているのか』訳者あとがき本書は2021年に刊行されたジェフ・ホーキンスのA Thousand Brains: A New Theory of Intelligence の全訳である。原書は2021年のフィナンシャル・タイムズ紙のベストブックに選出されたほか、ビル・ゲイツの「今年おすすめの5冊」にも選ばれ、「人工知能はとりわけSF作家の想像力をかきたてる題材だ。真のAIをつくり
by 『父と息子のスキンケア』担当編集 柚木麻子の『BUTTER』がThe British Book Awards 2025のデビュー・フィクション部門を受賞、さらには王谷晶『ババヤガの夜』とともに英国推理作家協会賞(ダガー賞)翻訳小説部門の最終候補作にノミネートされ、セールス的にも日本をしのぐ部数がイギリスで出ている、というニュースはいま出版業界のホットトピックだが、読まれ方が少し日本とは違っているらしく、著者いわく「男性のファンが多いことに衝撃を受けました。日本だと、女性のための文学みたいに思われているかもしれないですが、英語圏だと「男性の生きづらさ」についても考えているいわゆる、「穏健な」フェミニズム文学、というとらえ方がされているようです」とのこと。 しかしこれは個人的にはとても腑に落ちるところがあり、というのも私(32歳男性)は本書をセルフケア小説として読み、引き込まれたからだ。
2025年、ロシアとウクライナの戦争は終戦を迎えるも、その3年後、突如、ロシアはバルト三国のエストニアの都市ナルヴァ、そしてヒーウマー島への軍事作戦を展開する…。ロシアの思惑とは一体? そしてNATOはどう動くのか? ドイツの軍事・安全保障の専門家が、ウクライナ戦争後の世界を圧倒的なリアリティでシミュレートし、ドイツでは発売すぐにベストセラー1位を獲得した話題の一冊『もしロシアがウクライナに勝ったら』(カルロ・マサラ、鈴木ファストアーベント理恵訳)。この記事では、今回のシミュレーションが日本に与える影響についても考察した、地政学・戦略学者の奥山真司氏による「解説」を特別公開します。 カルロ・マサラ『もしロシアがウクライナに勝ったら』 (装幀:金井久幸[TwoThree]) 解説奥山真司(地政学・戦略学者) 本書は、カルロ・マサラ「Wenn Russland gewinnt: Ein Sze
あなたが感じている中年の生きづらさは、たった数百円の化粧水によって解消されるかもしれない――高殿円『父と息子のスキンケア』プロローグ 洗顔フォームを使う日本人男性は5割、化粧水にいたってはわずか2割。「男が肌を気にするなんて恥ずかしい」、そんな”スキンケア後進国”で、夫を変えたのは高校生の息子だった――。 作家の高殿円さんが大手化粧品会社や美容クリニック、社会学者に徹底取材し、男性スキンケアをめぐる「潤い格差」の実態とその解決策を考える『父と息子のスキンケア』(ハヤカワ新書、2025年6月18日発売)。この記事では刊行に先立ち「プロローグ」を公開します! 『父と息子のスキンケア』(高殿円、ハヤカワ新書)プロローグ とある日の洗面所 ある日のことだった。何の変哲もないごくふつうの月半ばの休日だったと記憶している。 その日私はパーソナルジムに行き、帰りにちょっとばかりおいしいものが食べたくなっ
「狂気そのものだった」天才トレーダーが金融危機でボロ勝ちした方法とは?(『トレーディング・ゲーム』より) (前回のあらすじ) 東日本大震災はトレーダーたちの命運を分けた。リーマンショック後、多くが金利の正常化を予測するなか、市場の崩壊に賭けていたギャリーは大儲けする。そして、ヨーロッパに金融危機の波がやってくる……。 その後、全員がメッタ打ちにあった。全員がストップアウトした。JBは最悪のタイミング、大惨事の絶頂でストップアウトした。ちょうど僕がその反対に賭けていた時期だ。 全員が落ち着くと、僕はユーロダラーの利益をすべて確定させ、再び大惨事の予測に立ち返った。確かに、2011年に核爆発は起きなかったが、きっと別の爆発が起きる。そんな匂いがぷんぷん漂っていた。4月中旬になると、僕は1100万ドル以上の利益を上げていた。デスク全体でも1000万ドル足らずだったというのに。JBにいたっては17
アインシュタインが「不気味な遠隔作用」と言った「量子もつれ」とは。『世界一わかりやすい量子力学』(アントン・ツァイリンガー)プロローグ試し読み 量子力学誕生から100年。レーザー、超伝導、量子コンピューター……量子の力は世界をどう変えるのか? アントン・ツァイリンガー『世界一わかりやすい量子力学』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)が5月22日に発売されました。著者のツァイリンガー氏は、世界で初めて量子テレポーテーションの実験に成功し、2022年にはノーベル物理学賞を受賞しています。難解で複雑な量子の世界を、さまざまな実験を交えながらストーリー仕立てでやさしく解説したのが本書です。 この記事では、その「プロローグ」を特別に公開します。 『世界一わかりやすい量子力学』 アントン・ツァイリンガー:著 大栗博司:監訳 田沢恭子:訳 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)プロローグ──ドナウ川の地下で1
彼はいかにして金融市場をハックしたのか? 橘玲が「ボロ儲け」の仕組みを解説【『トレーディング・ゲーム』書評】 好評発売中のギャリー・スティーヴンソン『トレーディング・ゲーム 天才トレーダーのクソったれ人生』(千葉敏生訳)は、若くして億万長者ミリオネアに成りあがった天才トレーダーが自身の半生を描いたノンフィクションです。著者はリーマンショックや東日本大震災など未曽有の出来事が世界を襲うたび、経済の先行きを精確に予測し大金を稼ぎ出していきます。 トレーディングの仕組みがわかれば、本書をもっと楽しめる! この記事では作家の橘玲氏による解説を公開します。 ギャリー・スティーヴンソン『トレーディング・ゲーム 天才トレーダーのクソったれ人生』 (装幀:川名潤)『トレーディング・ゲーム』書評:橘玲 イーストロンドンの労働者地区で生まれ育ったギャリーは、クソみたいな人生から抜け出すべく、名門大学LSE(ロ
「地震が起きて2万人が亡くなり、自分が1100万ドルを儲けたら、どう思う?」天才トレーダーが明かす「神のまね」の手の内(『トレーディング・ゲーム』より) 地震が起きて2万人が亡くなり、自分が1100万ドルを儲けたら、どう思う? ひとり当たり550ドルだ。 地震が起きるなんて知る由もなかった。僕は予言者じゃない。 席に着くと、何百件ものメールが届いていた。シティバンクのマクロ経済学部門からのメールにはこうあった。「今回の地震は2011年の日本のGDP成長にとって大きなプラスに働くと予想される」 僕は机を開け、青のボールペンを取り出して静かに折り、ごみ箱に落とした。続けて、2本目を取り出して同じことを繰り返した。そして、文具棚のところに行ってもう何本かペンを持ってきた。 東京デスクの下級トレーダーが、地震の最中にトレーディングフロアにいた東京のSTIRTトレーダー、ヒサ・ワタナベの動画をティツ
貧しい労働者階級出身の著者(数学の天才)は、人生逆転を賭けて投資シミュレーションの大会に挑む…! ギャリー・スティーヴンソン『トレーディング・ゲーム』冒頭40ページ先行公開 ギャリー・スティーヴンソン『トレーディング・ゲーム 天才トレーダーのクソったれ人生』(千葉敏生訳)。元トップトレーダーが自身の体験を告白し、全英ベストセラー1位となったノンフィクションです。5月9日の発売に先立ち、冒頭40ページを一挙公開します。東ロンドンの労働者階級の貧しい家庭出身、ドラッグ密売で高校を退学処分になったギャリーは、数学の才能を生かして人生逆転の切符を勝ち取ることができるのか…⁉ ギャリー・スティーヴンソン『トレーディング・ゲーム ―天才トレーダーのクソったれ人生―』 (装幀:川名潤) 「狂った今の世で気が狂うなら気は確かだ」──黒澤明 「人生は人生、ゲームはゲームだ」──アニッシュの祖父 プロローグ
超刺激的な作品集『すべての原付の光』がついに発売! 刊行を記念して、著者の天沢時生さんへのインタビューを掲載いたします。 『すべての原付の光』――小説を書き始めたきっかけを教えてください。 天沢 初めて小説を書いたのは二十代後半、ノベルゲームのシナリオライターをしていた頃です。『カイジ』の地下強制労働のような職場で、文庫十冊分のボリュームのシナリオを半年で書けと鬼詰めされ、オフィスの机の下に段ボールを敷いて仮眠をとる毎日でした。ある朝、誰もいないオフィスでインスタントコーヒーを淹れている時、ふと「このままだと心壊れちゃう」と思い、現実逃避のための怪文書を書き始めました。それが初めての小説です。 ――SFというジャンルを選んだ理由はなぜですか? 天沢 ジャンルとしてのSFを最初に意識したのは「ゲンロン 大森望 SF創作講座」に応募した時でした。僕はもともと東浩紀さんの読者で、『動物化するポス
ベストセラー『調べる技術』著者・小林昌樹氏の新刊『立ち読みの歴史』(ハヤカワ新書)が2025年4月23日に刊行されます。これまで注目されてこなかった資料を発掘し、「立ち読み」という習俗から謎多き近代出版史を描き出す野心作です。この記事では本書のプロローグとなる「零.立ち読みは日本だけ⁉──「出版七つの大罪」の筆頭」を公開します。 『立ち読みの歴史』小林昌樹零.立ち読みは日本だけ!?──「出版七つの大罪」の筆頭誰もが一度は見たことも、したこともあるだろう「立ち読み」。新刊書店の店頭で、立ったまま試し読みをするアレである。昭和生まれだと、ハタキで店主に追い払われる場面とセットで思い出す。ところがこの立ち読み、どうやら海外になかったらしいのだ。昭和時代に「洋行」した人たちの紀行文や案内記に、立ち読みが海外にないということが述べられている。 ■洋行した知識人「海外に立ち読みなし」戦後のある紀行文に
天沢時生氏の短篇集『すべての原付の光』が4月23日発売! 超刺激的なSF作品集の刊行を記念して、4月30日までの期間限定で表題作の全文無料公開を行ないます! 舞台は滋賀。とある不良の取材が、想像を超えた彼方へと驀進していきます。 SFマガジン2022年8月号・小説扉 公民館で車をいったん停めると、記者はスマホの電話帳を開いた。登録名「不良」にコールする。 「目印の公民館に着きました」と記者は告げた。 「向かって左手の細道に入れ」と不良が応答する。 言われた通り車を小道に突っ込む。地区掲示板に貼られた、二期前の首相のポスターのそばを通り過ぎる。長らく剥がし忘れたまま放置されて色褪せ、落書きだらけだ。人物の目元はサングラスで覆われ、口にはギャングの極太の葉巻、お腹の前で組んだ腕の上にはアニメ調の下手くそな猫のイラストが描かれており、その口元からマンガのフキダシが伸びている。セリフは「ニャー」で
『立ち読みの歴史』 「立ち読み」という営みは、いつどのようにして始まったのか? 私たちにとって当たり前の「本」や「読書環境」のあり方が、いかにして形作られていったのかを調べた『立ち読みの歴史』(小林昌樹、ハヤカワ新書)が2025年4月23日についに発売。この記事では本書のまえがき、そして目次を公開します。 まえがきもし、あなたがいま、この本を書店の店頭で立ち読みしているのなら、本書のもくろみのいくらかはすでに達成されたということになる。(だが、いまあなたはこの試し読み記事をウェブ上で見ているはずだ。これが「立ち読み」とは言えないことは、この本を読めば明らかになるだろう) 『立ち読みの歴史』を立ち読みする人がいる、こんなに愉快なことがあるだろうか? 筆者のもくろみの片棒を担いでくれたあなたに、まずは感謝したい。 そのうえで、本書がどのような性質の書物であるのか、以下簡単に紹介しておきたい。
全英ベストセラー1位! 金融市場をハックし億万長者になった男の末路とは? ギャリー・スティーヴンソン『トレーディング・ゲーム 天才トレーダーのクソったれ人生』5月9日発売 早川書房はギャリー・スティーヴンソン『トレーディング・ゲーム 天才トレーダーのクソったれ人生』(千葉敏生訳)を2025年5月9日に発売します。元トップトレーダーが自身の体験を告白し、全英ベストセラー1位となったノンフィクションです。 『トレーディング・ゲーム』(装幀:川名潤)投資銀行が主宰する登竜門「トレーディング・ゲーム」。その先に待ち受ける激務、脅迫、向精神薬、青天井の報酬。そして……。 ハイテンションなストーリーテリングと赤裸々すぎる内容が話題を呼び、『トレンスポッティング』の著者アーヴィン・ウェルシュも「良心の備わった『ウルフ・オブ・ウォールストリート』だ」と激賞した本作。日本版でも、各分野の方々から推薦文が届い
根拠なし、効果なし、捏造あり……再現性危機に揺れる「行動経済学」のゆくえは? 川越敏司『行動経済学の死』はじめに ノーベル経済学賞の受賞で脚光を浴び、政策やビジネスにも活用されている行動経済学。だが近年、有名な研究が「追試」で再現されず、問題視されている。行動経済学は本当に科学的に信頼できるのか――。行動経済学会・現会長が相次ぐ疑惑の真相に迫る川越敏司『行動経済学の死――再現性危機と経済学のゆくえ』(ハヤカワ新書)が4月23日に発売します。本記事では発売に先駆け、「はじめに」を公開します。 はじめに──「行動経済学の死」と再現性危機経済学に心理学的な洞察を取り入れた行動経済学は、現在、専門の研究者だけでなくビジネスの現場でも不可欠となってきている。行動経済学の知見をビジネスに取り入れる企業が増え、専門のコンサルティング会社もある。書店にはビジネスパーソン向けから専門家向けまで、「行動経済学
大阪・関西万博がいよいよ開幕!ということで、万博直前の2025年を描いた2023年執筆の短篇、長谷敏司さんの「準備がいつまで経っても終わらない件」を10月13日まで無料公開します! ――――― 2025年1月中旬、4月から開催する大阪万博の事務局スタッフである墨田幸太郎は、淀屋橋の万博事務局オフィスで胃を痛めていた。経産省から万博事務局に係長として出向した彼は、テーマパビリオンのひとつ、《パビリオン大阪5.0》の展示を担当している。 30分ほど悩んだ結果、墨田は、上司に苦渋の報告をした。 「パビリオン大阪の展示は、完成しません。学者の先生が、『このままでやるなら、責任者を降りる』と言い出しました。準備が間に合わなくなるので、なんとか続行してほしいと頼みましたが、聞き入れてくれません」 つまり、関西を中心に日本の叡智を結集した学者たちが、展示の完成に待ったをかけたのだ。 上司であるテーマ事業
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