「授業の英語化をスタートします」――。東京大大学院工学系研究科のこんな宣言が話題を呼んでいる。 交流サイト(SNS)上では「それくらいやらないと世界の大学になれない」「高等教育を母国語で学べなくなる」などと賛否両論がある。 狙いはどこにあるのか。 東大大学院工学系副研究科長を務める津本浩平教授に話を聞くと、日本固有の事情が浮かび上がってきた。 英語の授業を「倍」に <工学の分野では、英語が世界の標準言語であり、海外のトップ大学では、少なくとも大学院の授業については講義を英語で実施することが一般的です。本研究科においても、英語による授業が徐々に増えてきましたが、まだ多くの授業は日本語で行われています> 東大大学院工学系研究科は昨年度末、在学生向けの「大学院の授業の英語化について」と題した文書で学内の現状をそう説明し、授業の英語化を始めることを発表した。 津本教授によると、既に4割ほどの授業が