あべ・やすし 近刊 「『読書と豊かな人間性』的価値観の問題―図書館と自文化中心主義をめぐって」『社会言語学』25号、??-??ページ 結論として整理すると、要するに「読書」を「活字を読むこと」と位置づけて「豊かな人間性」と関連づけることは自文化中心主義にもとづく読書論である。自文化中心主義をすてさるためには「読書」の位置づけをとらえなおす必要がある。すでに指摘したように、読書の意味をせまくとらえることをやめて読書のハードルをさげる必要がある。 「4.3 能力主義、自文化中心主義の問題」より もくじ 1. はじめに―読書の社会的位置づけと図書館 2. 司書教諭テキスト『読書と豊かな人間性』の経緯と内容 2.1 『読書と豊かな人間性』とは 2.2 内容の傾向と問題点 3. 読むこと、読書について図書館の内外で議論されてきたこと 3.1 国による読書推進について 3.2 権利としての読書について