抹茶の人気が止まらない。いまや海外で爆発的なブームとなり、ドリンクからスイーツまであらゆる製品に抹茶が使用されている。その一方で、粗悪品が市場に出回り、急増する需要に追いつけず抹茶不足の悲鳴をあげるのは日本の茶業界だ。 日本では800年以上前から、抹茶をたしなむ伝統を築き上げてきた。それは「和敬清寂」の精神に基づいている。だが世界的な抹茶ブームが起こると、たった数年でその精神は根こそぎ失われ、不純なものへとすり替わった。 世評の高い日本の抹茶製造会社は、アマゾンやフェイスブックマーケットプレイスなどで通常の小売価格をはるかに上回る法外な価格で抹茶を転売する多数の業者といたちごっこを繰り広げている。一方で、三流品の粉末茶を詰め、45ドルの偽シャネルバッグばりの価格で販売したり、くすんだ黄色になるまで細かく挽いた普通茶を詰めたりした、偽物を売りさばく茶商もいる。 数世紀をかけて名声を築いてきた