名古屋市は14日、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で不払いを決めた残り約3400万円の負担金について、「支払わないと県に回答する」との考えを示した。愛知県の大村秀章知事が訴訟も視野に、20日までの支払いを求めている。市は「対応を準備する」としている。 この日の市議会経済水道委員会で、松雄俊憲・観光文化交流局長が方針を示した。市議からは、「新型コロナウイルス対応を優先すべきでケンカしている時ではない」「コロナ収束後の対応にできないのか」などの意見が相次いだ。 松雄局長も「コロナウイルス対策を全力でやらなくてはいけない。県と市がこんな仲たがいをしていてはいけない」との認識を示し、大村氏と話し合う機会を持つよう河村たかし市長に働きかける考えを示した。一方で、「ここに至ってはどこまでやれるかわからない。訴訟への準備もご理解たまわりたい」と述べ、提訴されることを見越して対応することも明らか
【左】自作について語る藤江民さん=富山市のアトリエで 【右】「SportingDimension戯画86-4」(1986年、洋紙、和紙、リソグラフインク、油絵具、木、縦265センチ、幅850センチ)=ギャラリー手で 富山市在住の画家、版画家の藤江民さん(70)が自身の作品を集大成した作品集を出版した。「見たことのない絵を『発現』させたい」。1970年代に版画から出発し、大胆で生き生きとした筆致そのものを、転写を重ねて画面に定着させる技法から生み出される作品群は、絵画は何かを表現するものという通念を超え、見るものに迫ってくる。(松岡等) 藤江さんは、富山で高校時代を過ごした後、「絵に関心を持ちながら」も明治大仏文科に進んだ。学生運動で騒然とした空気の中で、東京版画研究所で版画を学び、75年に日本版画協会で新人賞。アシスタントを務めた彫刻家・宮脇愛子さん、建築家・磯崎新さん夫妻とともに、同じ富
愛知県の大村秀章知事は27日、2022年に予定される次回の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」に向け、組織委員会の会長候補として、大林組(東京都港区)の大林剛郎会長(65)を選んだことを明らかにした。…
新型コロナウイルスの影響下で、アーティストは何を考えている? 東京圏で活動するアーティストにメールインタビュー 日本政府が新型コロナウイルス感染拡大防止のため、大規模なスポーツや文化イベントの自粛要請を行ったのが2月26日。そこから多くの美術館が休館し、イベントは中止となり、実空間でのアーティストの作品発表の場は減少している。 いっぽう世界各地では国、市、個人といった様々なレベルでアーティストに対する緊急助成金が立ち上がっているなか、東京都は「活動を自粛せざるを得ないプロのアーティストやスタッフ等が制作した作品をウェブ上に掲載・発信する機会を設ける」という支援策を打ち出した(ウェブ版「美術手帖」)。 アーティストはこの状況下で何を思い、東京都のアーティスト支援策について何を考えているのか。東京圏で活動するアーティストに4の質問を投げかけた。 第4回は、神奈川県相模原市で「パープルーム」を主
「表現の不自由展 A Long Trail for Liberation(解放への長い道程)」展示風景より、キム・ソギョンとキム・ウンソン《平和の少女像》 Courtesy of MOCA Taipei 「あいちトリエンナーレ2019」の一企画として行われた「表現の不自由展・その後」が、「表現の不自由展 A Long Trail for Liberation(解放への長い道程)」として台湾・台北当代芸術館(MOCA Taipei)で開幕した。 本展は、「表現の不自由展・その後」の主体となった「表現の不自由展実行委員会」がキュレーションを務めるもので、委員会は「駱麗真館長より、熱意あるオファーをいただき、台北市での展覧会が実現した」と説明。 同館側は、今年1月時点で美術手帖に対して開催理由を次のようにコメントしていた。「台湾には現在、アートや文化に対する検閲はない。しかし、アートや文学などは
昭和天皇の肖像を燃やすような作品や元慰安婦を象徴する作品が出品され、物議を醸した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」をめぐり、文化庁が、愛知県への補助金を不交付とした決定を見直し、一部減額して愛知県に支給すると発表した。県が手続き上の不備を認めたことが理由だが、芸術祭が提起した表現の自由や、公共施設での展示のあり方といった問題について議論は進んでいない。今回の灰色決着で、同様の騒動が再び起きる恐れも指摘されている。 実利重視 「愛知県が遺憾の意を示した上で今後の改善を表明したこと、展示会場の安全や事業の円滑な運営にかかる懸念に関連する経費などの減額を内容とする変更申請がなされたことなどを踏まえて判断した」 文化庁は3月23日、いったん不交付とした決定を見直し、約7800万円から約6700万円に減額して支給することを決めた理由について、こう説明した。 愛知県の大村秀章知事も、補助金支給
「あいちトリエンナーレ2019」の一企画として行われた「表現の不自由展・その後」。そのなかにおいて、《平和の少女像》とともに大きな物議を醸した映像作品が、大浦信行の《遠近を抱えて PartⅡ》だった。今回の、その《遠近を抱えて PartⅡ》の引用元となった映像作品《遠近を抱えた女》が、オンラインで有料配信されている。 《遠近を抱えて PartⅡ》では、「昭和天皇の肖像を燃やした映像」という、作品全体のいち部分を切り取った批判が展開され、メディアでも大きく取り沙汰された。今回配信されている《遠近を抱えた女》においても、大浦の版画作品であり昭和天皇をコラージュした《遠近を抱えて》が燃やされるシーンが含まれている。こうしたシーンを含む大浦の作品は、「あいちトリエンナーレ2019」を超えたいま、どのように訴えかけるのか。 同作の撮影・プロデュースを担った辻智彦は、「《遠近を抱えた女》は、決して難解
広島・尾道水道の朝。「芸術の自由」の夜明けは…(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート) 1 延期でも開催方式の変更でもなく「中止」広島県は芸術祭「ひろしまトリエンナーレ2020」を中止とする決定を下した。その理由は、新型コロナウィルス感染拡大防止を受けてのものだという。県は、新型コロナの感染拡大により、「現地での滞在型創作活動などの準備が進まない」「誘客促進が難しい」ことを中止の理由としているという。 「ひろしまトリエンナーレを中止 感染拡大で、9~11月開催予定」共同通信4/10(金) 配信 「ひろしまトリエンナーレ中止 コロナ感染拡大受け」朝日新聞デジタル4/10(金) 配信 この芸術祭については、県が実行委員会とは別に、展示内容を選定する「アート委員会」を新設する方針を固めていた。この方式に対して、作家や芸術関係の専門家から強い批判の声が上がっていた。 「ひろ
総合ディレクターが抗議の辞任。新設される「アート委員会」とは? 今年9月12日〜11月15日の会期で予定されている広島県初の大規模芸術祭「ひろしまトリエンナーレ2020 in BINGO」で、総合ディレクターの中尾浩治(アート・マネジメント・しまなみ代表)が3月31日付で辞任、緊急声明を発表した。 同芸術祭をめぐっては今年3月、実行委員会や企画部会とは別に、展示内容を事前選定する検討委員会設置の方針を県が表明。美術界からは「検閲に当たるのではないか」として大きな反発が起こっている。中尾の辞任と緊急声明は、こうした県の動きに対する抗議だ。 そもそもなぜ県は検討委員会を設置しようとしているのか? その背景には、芸術祭のプレイベントとして開催された「百代の過客」がある。「百代の過客」では、「あいちトリエンナーレ2019」の一企画である「表現の不自由展・その後」に出品された大浦信行の映像作品《遠近
あいちトリエンナーレのあり方検討委員会(第4回、第5回)を以下のとおり開催しました。なお、会議は愛知県情報公開条例第7条第5号に該当する情報を含むため非公開で実施しました。
あいトリ補助金問題で浮き彫りになった「萎縮効果」。弁護士・水野祐に課題を聞く文化庁が、「あいちトリエンナーレ2019」への補助金を減額して交付する決定を下し、大きな注目を集めている。しかしながら、「不交付」に至った経緯などは依然として謎のままだ。残された課題とは何か? 文化庁が「あいちトリエンナーレ2019」に対して交付予定だった補助金約7800万円を、「不交付」としたのが2019年9月のこと。ここから半年を経て、文化庁は態度を一転させ「減額しての交付」を決めた。SNSでは交付決定について前向きにとらえる声も上がるが、「不交付」とした経緯は依然不明瞭であり、減額での交付には「手打ち感」がある。 今回の交付で浮き彫りになったものとは何か? 「あいちトリエンナーレ2019」から生まれた「あいち宣言(プロトコル)」にも関わり、Arts and Law理事として芸術家の支援にも長く携わってきたシテ
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