デーヴァ神族に属する雷霆神、天候神、軍神、英雄神である。ディヤウスとプリティヴィーの息子。 特に『リグ・ヴェーダ』においては、最も中心的な神であり、ヴァルナ、ヴァーユ、ミトラなどとともにアーディティヤ神群の一柱とされる。また、『ラーマーヤナ』には天空の神として登場する。 漢訳では、因陀羅・釋提桓因・帝釈天・天帝釈・天主帝釈・天帝・天皇などと書かれ、特に仏教における帝釈天の名で知られている[1]。 インドラ神のルーツは古く、インド=イラン共通時代までさかのぼる軍神であり、紀元前14世紀にヒッタイトとミタンニとの間で結ばれた条文の中に名前がある[2][3]ことから、アーリア人の移動とともに小アジアやメソポタミアなどでも信仰されていた神であったことが確認されている[4]。 雷霆神の性格が強く、その容姿は皮膚も髪も髭も茶褐色だとされる[5]。ギリシア神話のゼウス、北欧神話のトール、スラヴ神話のペル