高市首相の所信表明、連立解消した公明は「独裁ではないか」と批判…与党は「経済重視」を評価
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高市首相の24日の所信表明演説に対し、与党からは物価高対策など経済重視の姿勢を評価する声が上がった。野党は「具体性を欠く」などと批判し、「政治とカネ」の問題を踏まえた政治改革への言及がなかったこともやり玉に挙げた。11月上旬に衆参両院で行われる代表質問などで高市内閣への攻勢を強める構えだ。(田ノ上達也、谷口京子)
「『高市カラー』がよく出た内容だった」
自民党と新たに連立を組んだ日本維新の会の吉村代表(大阪府知事)は演説後、大阪府庁で記者団にこう述べ、首相の演説を歓迎した。吉村氏は、維新が重視する社会保障改革や副首都構想が盛り込まれたことも「必要性が表明された。大きな前進だ」と評価した。
首相は演説の冒頭から時間を割いて物価高対策を含む経済政策を語り、「未来への不安を希望に変え、経済の新たな成長を切り
一方、立憲民主党の野田代表は、ガソリン税の暫定税率廃止を巡る首相の対応を批判した。与野党は年内廃止で合意したが、演説では「今国会での法案成立を期す」と述べるにとどめたためだ。野田氏は、首相が21日の就任記者会見で語った「決断と前進の内閣」に触れ、「先送りと後退の演説だった」と皮肉交じりに語った。
国民民主党の玉木代表は「強い気持ちは伝わってきた」としつつ、物価高対策で「年内に何ができるかは具体像が見えなかった」と指摘した。参政党の神谷代表も「ちょっとがっかりした。積極財政は掲げているが、プライマリーバランス(国と地方の基礎的財政収支)に配慮し、思い切った政策にならないのではないか」と述べた。
野党は「政治とカネ」にも照準を合わせる。野田氏は「『政治とカネ』の問題にケジメがついていないという国民が多い。しっかり言及すべきだった」と語った。自民との連立を解消した公明党の斉藤代表も「政治改革について一言もなかったことにびっくりした。
斉藤氏は首相が政権の方針と矛盾しない限り、野党の政策提案に応じる考えを示したことを巡っても「政権の方針と違う角度から議論するのは当然だ。独裁ではないか」と批判した。