AI・高速通信規格・医薬品など7分野、日米で閣僚級の協力覚書…トランプ氏来日に合わせ
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日米両政府は、トランプ大統領の27日からの来日に合わせ、七つの技術分野で閣僚級の協力覚書を結ぶ方向で調整に入った。米中の技術覇権争いが激化する中、日米が戦略的に先端技術を巡って国際協力を深めることで、中国に対する優位性を高める狙いがある。
日米首脳会談が行われる28日に、東京都内で小野田科学技術相と米ホワイトハウスのマイケル・クラツィオス科学技術政策局長が署名する方向だ。
覚書案によると、協力を促進することで、「次世代にわたる自由と繁栄を強固なものとするため、次のイノベーションの黄金時代を切り開く」と明記した。インド太平洋地域の安定に向けて、地域の戦略的パートナーとも連携を深める重要性を強調した。
協力の対象となるのは、人工知能(AI)、研究の安全性、大容量通信規格「5G・6G」などの高速通信規格、医薬品・バイオ、量子、核融合、宇宙の各分野となる。
中でも日米が重視するのは、中国が巨額資金を投じて技術革新を進め、軍事面への応用も進めているAI分野だ。理化学研究所や米国立科学財団など日米のAI関連の各研究機関が主導して、産業界や社会への応用の加速を目指す方針を掲げた。AI機器に不可欠な最先端半導体に関する協力も盛り込んだ。
中国によるAI技術が新興国などに広がっていることを念頭に、日米のAI技術の相互運用性を拡大させ、AI基盤やハードウェアなどの輸出協力を促進するとした。こうした取り組みにより、日米陣営でAI普及の主導権を握りたい考えだ。