「科学的に証明されているから間違いないよ」「効果あるよ、きっと」「専門家がちゃんと言っているよ」――
確かに専門家が言っていれば問題ないし、パッケージに「専門家のお墨付き」と書かれていれば、
信じてしまいますよね。疑う余地なんてないはずです。
しかし、本当にそうでしょうか。
いろいろ調べてみると、「本当に科学なのか?」と疑いたくなる内容がたくさんあります。
それだけでなく、なぜ私たちは専門家を盲信してしまうのか、そこにも隠された理由があるのです。
私は本書に出会うまで、そんなことをまったく知りませんでした。
今回ご紹介するのは、池内了氏の『疑似科学入門』(2008年4月22日、岩波書店)です。
疑似科学を知るだけでなく、社会や生活、教育などに潜む問題も取り上げています。
単に疑うだけでなく、深く考えさせる一冊です。
私のブログのテーマである「教養と娯楽」を、まさに体現した内容です。
疑似科学を知るだけでなく、ビジネスや心理的な利用法、「科学」の苦手分野や「科学」とは何か?などを学び、
考えを深める内容が詰まっています。その魅力を存分にお伝えしますよ。
さあ、生き方を考えながら、自分自身の成長を目指しましょう!
- 『疑似科学入門:池内了』をおすすめしたい3つのタイプ
- 『疑似科学入門:池内了』を読むことで得られる3つの学び
- 『疑似科学入門:池内了』の概要
- 『疑似科学入門:池内了』を今読むべき3つの理由
- 『疑似科学入門:池内了』を読んで良かったところ
- 『疑似科学入門:池内了』で物足りなかった点と関連書籍との関係
- 『疑似科学入門:池内了』を読んだしんちゃんならではの視点
- まとめ
- 『疑似科学入門:池内了』の書籍情報
『疑似科学入門:池内了』をおすすめしたい3つのタイプ
以下の3つのタイプの方におすすめです。
- 科学に興味を持っている人:疑似科学にも興味を持っている人に最適です。
- 教職を目指している人や先生:「なぜ?」という教科なので最適です。
- フリーランスや個人事業主:世の中の状況をキャッチするためにもおすすめ。
『疑似科学入門:池内了』を読むことで得られる3つの学び
本書を読むことで、以下の3つの学びを得られます。
- 「なぜ?」という疑問を浮かんでいく:生きていくだけでなく、「ビジネス」にもつながります。
- 考えるようになっていく:常に考えるようになっていきます。
- 他人任せしないようになっていく:考えることをわすれないようになっていきます。
『疑似科学入門:池内了』の概要
『疑似科学入門』(池内了、2008年4月22日、株式会社岩波書店)は、世の中、疑似科学が存在し、
ワナにはまらないためにも考えていく一冊です。
占い、超能力、健康食品など、疑似科学が正しいという形で存在しています。
疑似科学のワナにはまらないためにはどうしたらいいのか。そのポイントを3つ紹介します。
①人の心を掴むグッズや家電製品が存在
疑似科学を利用したグッズや電化製品があります。
しかし、人の心を掴むワナが潜んでいるのです。
②本当の「科学」を知れます
「科学を信じる」「科学を利用する」などといったコメントがあります。
しかし、信じるや利用するのではない。
③「科学」には不得意な分野があります
地球環境や生態系、感染症などがあります。
純粋な「科学」から疑似科学へと発展するケースも。
私のブログのテーマ「一人で生き抜く」にぴったりの、楽しみながら学べる一冊です。
『疑似科学入門:池内了』を今読むべき3つの理由
本書は単なる入門書ではありません。現代社会で疑似科学が使われている実態を解き明かす一冊です。
以下の理由を説明します。
理由①:コロナ禍でも疑似科学が利用された
マスクやワクチン、うがい薬に関する誤情報が広がり、科学的根拠のない主張が疑似科学として問題になりました。
読売新聞オンライン「〝疑似科学〟に振り回されるな」でも指摘されたように、危機時にこそ疑似科学は人を振り回します。
理由②:ビジネスにも応用されている
アルカリイオン水、シリカ水、水素水などが売られているけど、これらは疑似科学を利用した商品です。
プレジデントオンライン「失うのはお金だけではない」で取り上げられたように、まさに本書が警告していた典型例です。
関連として、納豆も利用されていた。
理由③:心理的要素も含まれている
すぐに答えを出してくれるものに飛びついてしまう心理が働きます。これも心理的要素が大きく関わっています。
解説されている確認バイアス・権威バイアス・「早く答えが欲しい」心理。
本書はこれを2008年の時点でズバリ指摘しています。
これらはすべて、ブログのテーマ「一人で生き抜く」に直結します。
疑似科学=疑うこと。生き抜くためにも騙されず、見極めていきましょう。
『疑似科学入門:池内了』を読んで良かったところ
以前、『言葉の爆弾を投げ続けろ』の参考文献に書いてあったので、楽天市場「ネットオフ送料がお得店」で購入。
読んでみると、予想以上の驚きや気づきもあり、考えさせました。
特に印象的だったのは、「科学とは、知れば知るほどわからないことが増えてくるものがある。」(P190)という言葉です。
科学だけでなく、いろんなジャンルにもいえるなあと思いました。
生きているだけでわからないことが増えていくばかりです。
ブログのテーマ「一人で生き抜く」に照らすと、知識の吸収だけでなく、自己成長や未来を切り開く基盤となります。
『疑似科学入門:池内了』で物足りなかった点と関連書籍との関係
一方で、「病気を早く治す」についてもう少し触れて欲しかったです。
人の心を掴んで科学の用語を使って治すというやり方についてはわかります。
ただ、「病気を早く治す」について、もう少し深掘りして欲しかったです。
この点、野口晴哉氏の『風邪の効用』と比較すると興味深いです。
本書では、「人間はひたすら健康であることを願い、病気になれば早く治して欲しいと望む。」(P68)と指摘。
一方で、『風邪の効用』では、
「仕事のために早く治す、何々をするために急いで下痢を止めるというようなことばかりやっているので、
体の自然のバランスというものがだんだん失われ、
風邪をスムーズに経過し難い人が多くなってきました。」(P40-41)と述べています。
早く治せば治すほど、体が悪化します。早く治すものではありません。
両書を組み合わせることで、教養を楽しみながら「一人で生き抜く力」を養えると確信しました。
『疑似科学入門:池内了』を読んだしんちゃんならではの視点
日本人は数学や理科が弱いことがわかる内容だった。
身につけていないから、買いこんでしまったり、信じてしまう。
「本人は幸運グッズを買ったおかげだと思い込んでしまう。」(P12)みたいに。
一方、疑似科学を知ることができる貴重な一冊です。
ビジネスや心理的利用、「科学」の不得意分野、「科学」とは?などがここにあります。
マスメディアやSNSでは得られない情報が詰まっています。
本書をきっかけに、読者のみなさんも「一人で生き抜く」ための学びを楽しみながら考えてみませんか。
まとめ
『疑似科学入門』は、「一人で生き抜く力」を本気で育てたい人にとって、最高の一冊です。
ビジネスや心理的利用、「科学」の苦手分野、「科学」とは?などを知ることが、生き方を考えるきっかけになります。
ぜひ、手に取り、教養と娯楽の時間を、より豊かで意味あるものにしませんか?
『疑似科学入門:池内了』の書籍情報
【タイトル】:疑似科学入門
【著者】:池内了(いけうち・さとる)
【出版社】:株式会社岩波書店
【定価】:本体価格720円+税
【ページ数】:202ページ
【オススメ度】:★★★★☆(4)
【キーワード】科学、洗脳、信じる
【特に読んで欲しい人】:科学に興味を持っている人
【目次】:(特に読んで欲しいところは★)
- はじめに
- 第1章:科学の時代の非合理主義ー第一種疑似科学
- 第2章:科学の悪用・乱用ー第二種疑似科学★
- 第3章:疑似科学はなぜはびこるか★
- 第4章:科学が不得手とする問題ー第三種疑似科学
- 終章:疑似科学の処方箋★
- 参考文献
- あとがき