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スーパー戦隊50周年 100年目指して「さらなる独自性を」 東映・白倉伸一郎氏が語る

映画「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード」からⓒ映画「ガヴ・ゴジュウジャー」製作委員会ⓒ石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映ⓒテレビ朝日・東映AG・東映
映画「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード」からⓒ映画「ガヴ・ゴジュウジャー」製作委員会ⓒ石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映ⓒテレビ朝日・東映AG・東映

東映の「スーパー戦隊」シリーズが50周年を迎えた。これを記念した映画「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード」(田﨑竜太監督)が25日から全国で公開される。半世紀にわたって子供たちの心をつかみ続けたシリーズだが、100年に向けた課題もある。シリーズのプロデューサーで東映上席執行役員、白倉伸一郎氏(59)に話を聞いた。

理屈を超えた存在

「スーパー戦隊」シリーズは昭和50年の「秘密戦隊ゴレンジャー」に始まり、テレビ朝日系で放送中の「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」まで49作が作られた。松坂桃李、横浜流星ら今をときめく俳優もシリーズの出身だ。

シリーズの出発点となった「秘密戦隊ゴレンジャー」©石森プロ・東映 ゴレンジャー
シリーズの出発点となった「秘密戦隊ゴレンジャー」©石森プロ・東映 ゴレンジャー

1990年代以降、シリーズを下敷きに米国で「パワーレンジャー」シリーズが作られ、海を越えて人気を博している。

「50歳以下の人で一回もスーパー戦隊の洗礼を浴びたことがない人っていないと思う。でも、50年命脈を保った理由は分からない。理屈で考えちゃ駄目なんでしょう」

白倉氏によれば、「仮面ライダー」シリーズに代わる番組を急ごしらえする必要に迫られ、ライダー用の企画を焼き直して生まれたのがスーパー戦隊シリーズだった。

「苦し紛れの窮余の策だったからこそ、理屈を超越して視聴者に受け入れられたのかもしれません。『サザエさん』と比べるのは失礼でしょうが、日本的カルチャーの中で絶対に欠くことのできない一部分になった」

ただ、「サザエさん」と違って、次々に新しい戦隊を生み出しながら続いてきた。その歴史を白倉氏は、「セルフパロディー」「2次創作」と表現する。

課題は海外展開

「世間にご当地ヒーローなど戦隊っぽいものが満ちあふれ、東映のスーパー戦隊が、その一部に過ぎなくなった。独自性をもう一度打ち立てないといけない。長きにわたって支持されたシリーズは財産。改修は難題ですが、それをやらなくてはいけない」

白倉氏は、歌舞伎や宝塚歌劇が伝統を守りながら革新を続けることに注目する。

「スーパー戦隊シリーズは新たな挑戦の時期にきた」と語る東映の白倉伸一郎氏(石井健撮影)
「スーパー戦隊シリーズは新たな挑戦の時期にきた」と語る東映の白倉伸一郎氏(石井健撮影)

「宝塚は、インド映画をミュージカル化した。大胆な冒険心を見習うべきだと、自分に言い聞かせています」

一方、東映は「TOEI NEW WAVE 2033」を発表した。令和15年までの成長戦略で、「コンテンツのグローバル展開へのチャレンジ」をうたう。スーパー戦隊の海外展開は当然視野に入るが、東映はパワーレンジャーシリーズの成功要因も分析していない。課題は多いが、白倉氏はいう。

「令和10年頃には、半分ぐらいまで来たという道筋を示す。今年、来年とその種をまきます」(石井健)

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