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若手教員が「不登校」に向き合うとき、管理職は組織的な支援のリーダーシップを

教育話題

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2025.08.27

猪狩はな

猪狩はな

教育ライター

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(写真はgettyimages)

2学期が始まり、不登校への対応で悩む若手教員が増える時期を迎えています。不登校への対応は想像以上に大変です。児童生徒のケア、五月雨登校や別室登校の対応、報告書の作成、関係者との打ち合わせ——。何をするにも時間がかかります。特にコロナ以降、不登校は非常に複雑化しており、担任のみで立ち向かうのは困難な状況です。

とりわけ若手教員は、日々学ぶことも多い中で、不登校支援に1人で関わるのは非常に難しいと言えるでしょう。それでも「自分が担任なのだから、全部一人でなんとかしないと」と悩んでしまう先生が多いのが現状です。1人で抱え込んでいる先生の負担にいち早く気づき、早めのサポートをしたいもの。彼らを支えるために、管理職ができることはあるのでしょうか。

そこで今回は、不登校支援を専門とする原田直樹先生に、若手教員を孤立させない組織づくりのポイントをうかがいました。

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原田直樹さん(はらだ・なおき、福岡県立大学看護学部准教授)
福岡県生まれ。社会福祉士・精神保健福祉士として、障がい児・者支援や不登校支援の現場を経て現職。現在は、大学教員として教育・研究活動に取り組むとともに、同大学不登校・ひきこもりサポートセンター教員スタッフを務め、センターの運営や不登校支援に携わっている。専門は不登校支援、子育て支援、学校保健福祉など。主な著書に「先生のための不登校対応サポートブック」(中央法規出版)など。

「どう接すればいい?」1人で悩みがちな若手教員たち

よく相談されるのは、「不登校の子に、どのように接すればいいですか」という悩みです。特に不登校に「+αの課題」が加わる複合的なケースでは、マニュアルが通用せず、先生方が困惑する場面が増えています。「+α」というのは例えば「引きこもり」「いじめ」「発達障害」などがあるケース。こうした課題に直面すると、どこから対応したらいいのかわからなくなり、悩みが深刻化しがちです。

また、「ベテラン教員との意見の食い違い」の悩みもよく聞きます。

現在の不登校支援の基本的なスタンスは「学校に登校するという結果のみを目標にしない指導」に切り替わっています。ですが、現実はまだ過渡期。「学校復帰・学級復帰がゴール」と考えがちな先生方が、ベテランを中心にまだ多くいらっしゃる一方、若手教員は比較的柔軟に新しいスタンスを受け入れる傾向にあります。

ベテラン教員に不登校対応について相談すると、学校復帰を前提としてアドバイスされることもあるそうです。そこで違和感を抱いても、先輩や指導教員に対しては「違うのではないか」とは言いにくいと感じてしまいます。その結果、「最適解がわからない」「言われた通りやっても効果が出ない」と思いながらも、誰にも相談できずに悩んでしまうのです。

見逃してはいけない! 若手教員のSOSサイン

若手教員が追いつめられた状況になる前に、管理職にとって大切なことは、児童生徒の「欠席日数のデータ」を把握し、早めに声かけすることです。

ただしこのとき注意したいのは、「大丈夫?」という聞き方をしないこと。先生たちはみなさん、非常に真面目です。管理職から「大丈夫?」と聞かれたら、おそらくほぼ全ての教員が「大丈夫です」と答えてしまうでしょう。そこでおすすめしたいのは、以下のような声かけです。

猪狩はな

猪狩はな

教育ライティング・合同会社ここらいと代表。中高一貫男子校講師、公立中正規教員、私立高講師×webライターを経て、現在は教育ライターとして活動中。「教員の経験」と2児の母としての「保護者の視点」を生かした取材・執筆を行っている。

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