朝日新聞社は、2001年に制定した「環境憲章」において、「環境先進企業となるべく、全社をあげて環境改善に努める」と宣言し、さまざまな取り組みを続けています。

朝日新聞環境憲章

〈基本理念〉
 21世紀を迎えて、ますます全人類的な課題となる環境・資源問題に対し、朝日新聞社は、これまでの姿勢、取り組みをさらに強め、国民の意識を先取りした環境先進企業となるべく、全社をあげて環境改善に努める。

〈基本方針〉
1. 事業活動によって発生する様々な廃棄物などの再資源化をより一層進める。
2. エネルギー利用をさらに効率化し、環境への負荷を低減する。
3. 環境関連の諸法令や自治体条例の順守にとどまらず、これらの先を行く努力をする。
4. 社内広報や啓蒙活動を通して、社員一人ひとりの自覚を高め、日常の行動に反映させる。  2001年1月1日

温室効果ガスの削減目標

 気候変動をめぐる国際社会の動向を踏まえ、朝日新聞グループは温室効果ガス(GHG)の削減目標を新たに定め、2023年11月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づく情報開示を行いました。燃料やガスの燃焼による自社からの直接排出(Scope1)と、電気や熱、蒸気の使用に伴う間接排出(Scope2)の合計を、グループとして2030年度までに21年度比で40%削減します。2050年にはサプライチェーン全体でカーボンニュートラル(実質ゼロ)をめざします。

 温室効果ガス排出削減の政府目標「2050年カーボンニュートラル」の実現を見据え、2023年4月、排出削減しながら経済成長する社会をめざす産官学のネットワーク「GXリーグ」に参画しました。ここでは朝日新聞社単体での削減目標を掲げています。直接排出(Scope1)と間接排出(Scope2)の合計を2030年度までに13年度比で46%以上削減し、サプライチェーン全体では2050年度までにカーボンニュートラル(実質ゼロ)をめざします。

取り組みの方針

 朝日新聞社は毎年度、「環境行動計画書」を策定し、オフィスや工場、輸配送における環境負荷の低減をはかっています。オフィスでは人感センサーによる空調・照明の稼働抑制、OA機器の節電モード設定などによる節電を推進。東京本社ではレイアウト変更を伴う大規模リフォームが順次進み、職場環境の快適化とエネルギー使用量の削減を同時並行で実施しています。また、在宅勤務をとり入れた新しい働き方が日常化し、オンライン会議が一般的になりました。経費精算システムを導入したこともあり、プリント資料や伝票の枚数が大きく減ってペーパーレス化が進んでいます。ごみ対策は、Reduce(削減)、Reuse(再使用)、Recycle(再利用)の「3R」を原則として、入居ビルのルールに則った削減、分別を徹底し、リサイクル率の維持・向上をめざします。

 印刷工場においては、照明のLED化や、熱源機器設備、空調機器の運転時間などの設定変更により、エネルギー使用量の削減に努めています。グループ企業である朝日プリンテックと共同開発した「ローラ再生装置」と「ブランケット復活装置」は、新聞印刷のコストや環境負荷を軽減させる技術として、それぞれ日本新聞協会の2017年度協会賞(技術部門)、2023年度新聞技術賞を受賞しました。

 新聞輸送においては、輸送コースの数を減らすことなどによって総輸送距離を短くしているほか、省燃費運転の励行、構内でのアイドリングストップなどにより、CO2の排出削減に努めています。古紙回収はASA(朝日新聞サービスアンカー)などとの協力で高い回収率を誇っており、今後も適正な古紙配合率の新聞用紙を使用してまいります。

外部ネットワークとの連携

 気候変動対策に取り組むネットワークとの連携を積極的に進めています。2018年には、企業・団体やNGOでつくるネットワーク「気候変動イニシアティブ」(Japan Climate Initiative)に参加。メッセージ・提言への賛同を通じて2050年のカーボンニュートラル実現を呼びかけています。22年からは国連広報センターがメディアと共同で推進する気候キャンペーン「1.5℃の約束-いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」に参加しました。

報道、イベント、企画

 報道においては、国内外のネットワークを生かし、深刻化する地球温暖化、プラスチックごみによる海洋汚染などの問題に警鐘を鳴らしています。「朝日地球会議」などのシンポジウムやイベントにも力を入れ、地球環境についての意識啓発に努めています。

地球温暖化対策計画書

 東京都の温室効果ガス排出総量削減義務および排出量取引制度に基づき、東京都に提出した「地球温暖化対策計画書」は以下の通りです。

 朝日新聞グループは、より良い地球環境を次世代に引き継いでいくため、報道や事業活動を通じ、これからも積極的に取り組んでまいります。