[go: up one dir, main page]

セキュリティ

センター長 園田道夫のセキュリティコラム

第20回 コンテンツを量産できそう?

サイバーセキュリティの人材育成に長らく携わっていますが、常々コンテンツ不足を感じています。書店に行けばわかりますが、技術書の棚に占めるセキュリティ関連書籍の割合の少ないことと言ったら大変です。 大きな書店ではさすがに、古いものも含めて揃っているので2%くらいはありそうですが、小さな書店だと一冊も置いてないことすらあります。書籍に限らずで、例えば動画とかも全然足りないですね。 英語圏はそれなりに沢山あるのに、日本語の動画はとても少なく、良い内容のものはさらに少ない。現代の生活にはネットが不可欠ですし、スマホも世帯普及率が90%を超えています。 動画というコンテンツの拡散力はぜひ使いたいところですが、コンテンツが無い。

・・・と思っていたら、今年出版されたセキュリティ関連書籍の数がものすごいことになっていました(笑)。特に後半の量がすごいので5月くらいからの分を、以下把握しているだけですが載せてみます。

実践 Webペネトレーションテスト 攻撃者の視点で学ぶWebアプリケーションセキュリティ (2025年10月24日)
セキュリティ1年生 図解でわかる!会話でまなべる! (2025年10月21日)
ゼロからわかるITほんき入門+マンガ セキュリティのなかみ (2025年10月7日)
高リスク分野のための機械学習 責任あるAI構築のための実践アプローチ (別サイト) (2025年9月26日)
サイバーセキュリティお嬢様と学ぶ 情報セキュリティの基本 (2025年9月20日)
世界で闘うサイバーセキュリティ力を鍛える本 (2025年09月18日)
Webセキュリティコンパクトガイド ―⁠―攻撃の種類から具体的な対策アプローチまで (2025年9月17日)
マルチクラウドセキュリティの教科書 クラウド横断で実現する堅牢なセキュリティ基盤 (2025年09月16日)
実践サイバーセキュリティ入門講座 現場に残された痕跡からハッカーの攻撃を暴け (2025年8月30日)
経営課題としてのサイバーセキュリティ (2025年8月25日)
空と宇宙のサイバーセキュリティ入門 航空宇宙システムの基礎から衛星ハッキング対策まで (2025年08月15日)
経営と情報セキュリティ ITは任せていた──では済まされない時代のセキュリティ入門:会社を守るために経営者が今すぐ知るべきこと ──サイバー攻撃・情報漏洩・法的リス クへの最前線対策 (2025年8月9日)
プライバシー保護・サイバーセキュリティの法的対応 基礎知識から情報漏えいの事前・事後対応まで (2025年08月)
知っておきたいネットの危険性!サイバー犯罪から身を守る本 (2025年6月27日)
サイバー攻撃 その瞬間 社長の決定 被害企業のリアルストーリー (2025年6月20日)
ITセキュリティ・ゼロトラスト概論――本質を理解し現代的なITインフラを理解するために (2025年6月10日)
安全な暗号をどう実装するか 暗号技術の新設計思想 (2025年5月29日)
自社製品・サービスへのサイバー攻撃対応の企業実務: 組織的・法的対策の進め方 (2025年05月15日)
中堅・中小企業のための サイバーセキュリティ対策の新常識: 経営者が知っておくべき最新知識 (2025年5月14日)

何と19冊も出ています。すばらしいことですね。なお、さり気なくわたしが翻訳監修で関わった本、「高リスク分野のための機械学習 責任あるAI構築のための実践アプローチ」を入れてますが(笑)、 AIを使ったサービス、アプリケーション、プロダクトを出すにあたり、今後も含めて気をつけるべき点を網羅したものです。お勧めなのでぜひどうぞ(宣伝)。

セキュリティの書籍は今年のように一気にたくさん出たことが過去にもありました。そのときはブーム?が去ってからしばらく出版数がかなり減ってしまいました。 ということはつまり、出版社の中で企画が通りにくくなった、ということだったわけですが、欧米でコンスタントに出版が続く様子を見ながらうらやましく思っていました。 その意味では来年どうなるか、そこがコンテンツ的には勝負になってくるのかな、と思います。