子どものころは、転んでできた傷も数日で跡形もなく治ったのに、大人になると同じような傷が「なかなか治らない」と感じたことはありませんか? これは単なる“年のせい”ではなく、細胞レベルでの老化現象が関わっています。実は、傷の治りにくさの裏には「老化した細胞=senescent cell(セネッセントセル)」の存在があるのです。 ◆ 細胞老化とは?──増えないけれど、消えない細胞 私たちの体は約37兆個もの細胞でできています。その中には常に「分裂して新しくなる細胞」と「役目を終える細胞」が存在します。 しかし、ある一定のダメージや時間が経過すると、細胞の中には「もう分裂できません」と動きを止めるもの…