本書は短編集。2007年から2022年の間に、「小説新潮」「小説現代」(3編)「野性時代」「すばる」各誌に載せられた6編が収録されている。 一部加筆訂正されて、単行本が2023年10月に刊行された。 本書は「黒い絵」というタイトルにフランス語が併記されている。 6編の短編のタイトルには、後でご紹介する通り、「黒い絵」というタイトルのものはない。 著者の作品は、アート小説の領域を主体しつつ読み継いできた。本書で突然異質な領域の作品に出遭うことに・・・・。ちょっと面食らうなぁ・・・こんな領域の小品も書いているのだ、が第一印象。内容はリアル感に溢れ、興味深い。これ本当に、想像力/創造力だけの産物なの…