私は前回、国民主権の理想を叶えるためには、『国民が予算を握ること』である、と整理した。 国の主権を握るという事は、予算管理の権限を握る事である――美しい理想とは言い難いが、生々しい現実であることは間違いない。 だが、同時に思うのだ。 生々しい現実は認めねばならないが、同時に、掲げるべき理念もまた、軽視してはならない、と。 例えば、『予算の決定権』は、どうしても平等とは言い難い。 富裕層ほど、大きな決定権を持つことになるし、それは『負担の累進性』を考えれば、避けることは出来ない問題と言える。 だが、民主主義は『政治参加における国民の平等』を理想としている。 予算の現実と、理想の実現、そのバランス…