日本を代表するIT(情報技術)企業として、官民の情報システムを支える富士通。祖業の通信機器からコンピューター、システム開発へと事業の軸足を移してきた。そして人工知能(AI)が台頭する今、90年の歴史で3度目の大変革期を迎えた。2019年に就任した時田隆仁社長の下、事業構造と人事制度にメスを入れた。「目指す方向性は定まった」と語る時田社長が見据えるのは、日本のAIリーダーだ。富士通の変革の成否は、日本のIT競争力そのものを左右する。今が正念場だ。(写真=ロイター)