映画「火垂るの墓」をめぐって 「清太と節子の見た“八月十五日”の空と海はこの上なくきれいだった」 8月15日、映画「火垂るの墓」が金曜ロードショー(日本テレビ系)で放送されます。 野坂昭如が自身の体験をもとに書いた原作を、高畑勲が圧倒的な描写力と迫真の時代再現力によって映画化した本作は、多くの人たちに「戦争」について考えさせてきました。 この特集では、原作者と監督の対談を再録し、合わせて、世代の異なる四人による「火垂るの墓」についての文章を掲載します。 この夏に、見てほしい、読んでほしい名作への思いが詰まっています。 『火垂るの墓』をいま、 あえて映画化することの意味 ――最初に、この作品をいま、 なぜ映画化するのか、高畑監督、話していただけますか? 高畑 小説を初めて読んだとき、主人公の清太が、戦時中の中学三年生としては、随分感じが違うなあと思った。そこがすごく面白かった。あの時代の少年