2010年代以降のデジタルコミック市場の拡大によって史上最大規模となった日本のマンガ業界では、次の展開として「IP(ライツ)」と「海外」が2大キーワードとなっている。海外のなかでも、MANGA(日本マンガ)の市場が大きく伸びしろもあると見られる北米とフランスが筆頭進出先であることが多い。 北米市場に対して、2000年代前半から現地出版社へのライセンスアウトによって『鋼の錬金術師』『ソウルイーター』『黒執事』などのヒット作を展開してきたスクウェア・エニックスは、2020年代以降、従来からのルート以外にも拡張するかたちで英語圏でのファンを増やしている。MANGA市場は欧米各国で2024年は前年比減となったが、その中でも同社の北米事業は過去最高売上を達成した。その戦略と成果についてスクウェア・エニックス出版事業本部 出版IPマネジメントディビジョンおよびグローバル出版ディビジョンのディレクターを