近年の右翼ポピュリズムの台頭を懸念する学者気質の人間なら、この現象への理解を深めるために、自然と政治学の文献にあたることになるだろう。だが、いざ文献を読んでみると失望することになる。このテーマに関して政治学者の見解が割れていることにすぐ気がつくからだ(ポピュリズムに関する膨大な文献の適切なスナップショットを提供するものとして、このレビュー論文が挙げられる)。「ポピュリズムとは何か」に関してはそこそこの合意があるが、最も広く受け入れられている定義は、表層的かつミスリーディングだ。これは、ポピュリズムの力に対抗する上では気がかりなことである。 最も重要な点は、学者たちがポピュリズムの一番困惑させられる側面にきちんと向き合ってこなかったことだ。それは、インテリに批判されればされるほど、ポピュリズムが伸長するという事実である。結果、多くの学者は未だに、古い戦略を使って古いゲームをプレイし続けている