なお、サメには“ロレンチーニ器官”と呼ばれる特殊な感覚器官がある。これは獲物の筋肉が発する微弱な生体電流や地磁気を感知できる器官である。この仕組みによって、サメは濁った水中や暗闇でも正確に獲物を捕らえることが可能になる。デザイン上は確認できないが、魔人態のビームもきっと視覚に代わってこの器官で周囲を“見て”いるのだろう。 一方、サメの姿になったビームは完全に現代サメ映画のサメである。特徴的なのは目だ。左右に3つずつの多眼ザメとでも言うべきユニークなデザインである。現実にそんなサメは存在しないが、かの名作「ハウス・シャーク」に登場する“家ザメ”は左右に2つずつ目を持っている。家ザメは屋内という限定的かつ極限的な環境で進化した生物で、銃火器を使用することもある。この家ザメが屋内の頂点捕食者にのし上がったのは、広い視野と立体視をもたらす多眼構造のためだ。 このサメの姿のもう一つの重要な特徴は、脚