孫正義は名前にもこだわりを見せる。ヤフーBB以降、コンシューマービジネスでは名前が大事だということを痛感していたからだ。 最初は「ヤフーペイ」という名前を検討していたが、当時はまだ米国ヤフーとのロイヤリティの契約があった。ロイヤリティを払うと薄利のビジネスなので、決済の時に逆ざやが生じる。だからヤフーの名前は使えないということになった。 そこから○○ペイという名称を考え始めた。アリババだと「Alipay」だし、みな○○ペイだったからである。川邊健太郎と小澤で相談し、一つに絞って持って行けば納得してくれるだろうと、 「検討した結果、これ一つになりました」 と○○ペイ案を持っていったが、それでも孫は反対した。 次は逆に、複数の候補を持って行ってその中で決めさせる作戦に出た。 「この中でいいと思うのを言ってください」 と20個ほどアイデアを持っていった。 すると孫はのっけから、 「そもそも、○○