(2009年4月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 長年、消費が弱く、輸出に依存してきた欧州最大の経済大国ドイツ。投資財に対する世界的な需要急減に大打撃を受け、1990年代の日本のような「失われた10年」に見舞われるとの懸念が高まっている。だが、経済運営の舵を切るつもりはないようだ。 欧州各地の港に向かってライン川を進むバージは、決してスピードが出るものではない。だが、輸出用の工業製品がうず高く積み上げられたバージは、ドイツの工業力の表れだった――昨年の暮れ頃までは。 ここはドイツ産業の中心地、ライン川とルーア川が合流する巨大な内陸港デュイスブルク。港湾管理会社デュイスブルガー・ハーフェンのCEO(最高経営責任者)、エーリヒ・スターク氏は昨年11月、ある変化に気づいた。「コンテナの取扱量が日を追うごとに激減していった」と同氏は振り返る。 デュイスブルク港に見るドイツの憂鬱 デ