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松本市の百貨店「井上」は24日、松本駅前の本店を来年3月末で閉店すると発表した。建物の老朽化で大規模な設備更新が必要な状況で、「お客様に快適に買い物を楽しんでもらうことが難しいと判断した」という。同市の中心市街地では、松本パルコが来年2月末の閉店を決めており、「商都」のシンボル的存在を相次いで失うことになる。
井上は1885年に同市大手2丁目で呉服店として創業。百貨店として業態を広げ、1979年に本店を現在の駅前に移した。本店は近年、老朽化が随所で目立つようになり、利用客も減少していた。跡地の利用は決まっていない。
本店営業は、2000年に山形村に開業した大型ショッピングセンター「アイシティ21」に統合される。百貨店営業で長年培った「おもてなし力」に磨きをかける方針だ。井上裕社長は「大規模更新には
一方、利用客の不便を最小限にするため、学校制服の取り次ぎや外商、友の会会員対応などは「市内にサテライト店を設けて対応したい」と述べた。
松本商工会議所の赤羽真太郎会頭は「長年地域から愛され、地域経済と文化を
市は比較的冷静に受け止めている。臥雲義尚市長は24日の定例記者会見で「昭和に区画整理された街を更新するタイミングで、商業やサービスも構造変化している。商業、観光、交通、居住、金融の側面から(官民が)オール松本として関わり、中核エリアの再設計に取り組む必要がある」とし、今年度中に検討組織を設ける考えを示した。