ベッセント財務長官「日銀に政策裁量を」…事実上の利上げ要求か、円高・ドル安進む
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米国のベッセント財務長官は29日、X(旧ツイッター)で「日本銀行に金融政策の裁量を認める日本政府の姿勢は、インフレ(物価上昇)期待を安定させ、過剰な為替変動を避ける上で重要だ」と投稿した。市場では、「事実上、日銀の利上げを求めた」(アナリスト)と受け止められ、対ドルの円相場は一時、円高・ドル安が進んだ。
ベッセント氏は投稿で、27日に会談した片山財務相について「アベノミクスが、(意図的に物価上昇に誘導する)リフレ政策から、経済成長とインフレ懸念のバランスを取る政策に移行した経緯を深く理解している」とも強調した。いずれも、日銀に金融緩和の継続を迫るようなことがないよう、日本政府にくぎを刺す意図があるとみられる。
ベッセント氏は28日、片山氏との会談で、インフレ期待を安定させるには「健全な金融政策の策定とコミュニケーションが重要な役割を担う」と発言したことを米財務省を通じて公表した。これに対し、片山氏は「直接的に金融調節をどうすべきだという話は全然なかった」と説明していた。