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【ニューヨーク=山本貴徳】米国のトランプ前大統領(77)は15日、不倫の口止め料を不正処理したとされる事件のニューヨーク州裁判所で開かれた初公判に出廷した。大統領経験者として初めて刑事裁判の被告人となったトランプ氏は裁判開始前、記者団に対し、「過去に見たことがない政治的迫害だ。起訴すべき事件ではなかった」と述べた。
裁判は、有罪か無罪かを判断する陪審員の選出から始まった。判決までに最低でも1か月半はかかるとみられ、トランプ氏と不倫関係にあったと主張する元ポルノ女優やトランプ氏の当時の顧問弁護士らが証人として出廷する見通しだ。トランプ氏は週4日ペースで出廷する必要があり、11月の大統領選に向けた選挙活動は事実上、制限される。
起訴状などによると、トランプ氏は2016年大統領選前の同年10月、不倫関係にあった元ポルノ女優に当時の顧問弁護士を通じて13万ドル(約2000万円)を支払った。口止め料の支払いは違法ではないが、トランプ氏一族が経営する企業が肩代わり分を支払う際、業務記録に「弁護士費用」などと虚偽の内容を記載したとして、起訴された。