「黄金のマスク」など10万点所蔵「大エジプト博物館」全面開館…日本が建物建設など支援、観光の目玉に
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【カイロ=田尾茂樹】エジプトの首都カイロ郊外のピラミッド近くに、日本の支援で建設された「大エジプト博物館」が1日、全面開館し、記念式典が開かれた。古代エジプト文明を中心に至宝約10万点を所蔵し、エジプト観光の新たな目玉となる。4日から一般公開される。
展示面積は約5万平方メートル。昨年10月に試験公開が始まった常設展示室に加え、「黄金のマスク」など約6000点のツタンカーメン王の遺物を集めた専用展示室や、世界最古級の大型木造船「クフ王の船」2隻を飾る別棟がある。
2012年に着工。政変などの影響で開館が何度も延期された。日本は総工費約10億ドル(約1540億円)のうち、842億円の円借款供与に加え、国際協力機構(JICA)が遺物の保存・修復などの技術を伝授し、人材育成を支えた。
記念式典には約40か国の首脳らが参加し、花火やドローン(無人機)ショーなどで開館を祝った。アブドルファタハ・シシ大統領は演説で、日本に対し「壮大な文明プロジェクトに大きく貢献した」と謝意を述べた。式典に参加したJICAの田中明彦理事長は「人類共通の遺産を守り伝える意義のある支援だ。日本の経験や技術が生かされていくことを誇りに思う」と語った。
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