[go: up one dir, main page]

最新記事
トランプ関税

得意げに発表した相互関税はトランプのオウンゴールになる

Why Trump's Sweeping New Tariffs May Backfire: 'It's an Own Goal'

2025年4月3日(木)11時49分
ダニエル・ブッシュ
ホワイトハウスのローズガーデンで相互関税率を発表するトランプ(4月2日) 

世界が見守る中、ホワイトハウスのローズガーデンで相互関税率を発表するトランプ(4月2日) REUTERS/Carlos Barria

<専門家も国民も、多くの輸入品に高関税を課せば、物価の安定という自らの公約に逆行する結果を招くと言っているのに、関税の力を過信するトランプは耳を貸さなかった>

ドナルド・トランプは2024年の大統領選で、経済を立て直し物価を引き下げることを公約に掲げ、ホワイトハウスへの復帰を果たした。しかし、2期目が始まってわずか2カ月で、その「勝ち筋」だった経済政策が逆に足かせとなりつつある。トランプの新たな通商政策が株式市場を揺るがし、消費者の間では物価上昇やインフレ長期化への懸念が広がっている。

【動画】トランプ版「アメリカ独立宣言」

トランプは4月2日、ホワイトハウスで華々しく国別に課す相互関税を発表した。相互関税は通常、相手国が課す関税を同じ率の関税を課すものだが、トランプの場合は、非関税障壁なども加味して国別に独自の関税率を決めている。

それによると中国からの輸入品に対する関税率は34%、欧州連合(EU)は20%、日本は24%などとなるが、算出根拠は明らかにされていない。

newsweekjp20250403023702-b667b4006bfec63878f0e5527b3c8c7360dc0520.png White House

貿易戦争の激化と景気後退の引き金となる恐れがあり、トランプの経済運営に対する国民の信頼をさらに低下させる可能性があると、専門家や世論調査機関は指摘している。

ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディは「関税の大部分は、最終的にアメリカの消費者が価格上昇という形で負担することになる」と述べた。相手国が報復関税を課せば、アメリカ経済に悪影響を及ぼすだろうとも警告している。

「関税とその報復措置が重なれば、経済に深刻な打撃を与え、多くのシナリオで景気後退に突入する可能性がある」とザンディは分析している。

投資
「FXで長期投資」という投資の新たな選択肢 トライオートFX「世界通貨セレクト」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ECBの金融政策修正に慎重姿勢、スロバキア中銀総裁

ビジネス

キンバリークラーク、「タイレノール」メーカーを40

ビジネス

米テスラの欧州販売台数、10月に急減 北欧・スペイ

ビジネス

米国のインフレ高止まり、追加利下げ急がず=シカゴ連
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    【HTV-X】7つのキーワードで知る、日本製新型宇宙ス…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中