AI文字起こしの飛躍的な進化により、会議やプレゼンの録音が自動テキスト化できる時代になりました。筆者も、インタビュー記事の草稿作成に、欠かせない存在となっています。
今では、そうしたアプリはいくつもありますが、主要なものはひと通り試したうえで「Notta」を愛用しています。ほかと比べて、精度が一頭地を抜いているのが、理由の1つです。
ですが、どんなに優秀なアプリであっても、録音データのクオリティが低ければ、アウトプットもそれなりにしかなりません。ワンランク上の精度を求めるなら、ボイスレコーダーもこだわるべき。いくつか候補があるなかで目にとまったのが、今回紹介する「Notta Memo」です。
【この記事でわかる3つのポイント】
- 「Notta Memo」はカードサイズ・超軽量ながら高性能マイクを搭載し、通話においても高音質録音が可能。
- 「Notta」アプリと連携し、通話や会議の音声を自動で文字起こしできるシームレス設計。
- ノイズキャンセリング機能と単体録音対応で、屋外やスマホOFF環境でも高精度を実現。
背景音をカットしてクリアな通話を録音・認識
「Notta Memo」は、「Notta」の生みの親であるNottaの新製品です。外観は、カードサイズで超薄型(3.5mm)かつ超軽量(29g)のボイスレコーダーらしからぬ形状。
これほどコンパクトでありながら、4つのMEMS(微小電気機械システム)マイクと1つの骨伝導マイクを搭載しており、高音質な録音ができるそうです。
見た目だけではなく、機能自体もシンプルです。ボタンは1つだけあり、これを1回押すと起動し、さらに2秒間長押ししてから離すと、録音が開始されます。録音を終了するには、再度2秒間長押ししましょう。
ボタンの左横には、小さな液晶画面があります。ここには、通話/会議を録音中であるとか、充電中であるといった状態を示すアイコンが表示されます。
さらにその左にあるのは、録音モードの切り替えスイッチ。モードは、通話録音モードと会議録音モードの2種類があります。電話の通話を録音する場合、通話録音モードに設定します。
この場合、付属のレザーケースに収納し、スマホの背面に装着します(付属の片面が粘着剤、もう片面が磁石のリングで装着します。「iPhone」のMagSafe対応機種であれば不要)。こうしておくと、スマホの振動を検知して録音を行なうとともに、最大限の高品質さを確保できるそうです。
では、最初に1回だけ行うペアリングを済ませて、早速試してみましょう。打ち合わせのリスケの通話を、録音・文字起こしします。
通話の録音中は、「Notta Memo」の画面にマイクのアイコンが表示され、ひろった音声は、Wi-FiかBluetoothでNottaアプリに転送されます。
通話が終わったら、「Notta Memo」のスイッチをオフにします。同時に、「Notta」が文字起こしを開始します。短い通話ですと、待ち時間はほとんどかかりません。
この、通話開始とともに「Notta」が起動し、文字起こしまで済ませてしまうのが、本製品の最大の特徴ともいえる「シームレスな連携」です。
さて、以下は文字起こしの結果です。
来週月曜日の打ち合わせの件ですが、私の方で用事ができてしまい変更したいのですが、よろしいでしょうか?
大丈夫ですよ。こちらは来週だと火曜と水曜が空いています。何時がいいですか?
ちょっとスケジュール帳を見ますね。こちらとしては火曜の号でしたらいつでも大丈夫です。具体的に何時がよろしいでしょうか?
そうですね。 火曜午後ですと3時が空いています。ですが4時から別の打ち合わせがありますので、1時間で終了させる必要があります。
承知しました。ありがとうございます。
平易な会話というのもあるでしょうが、パーフェクトな精度で感心しました。一箇所だけ「火曜の午後」が「火曜の号」となっていますが、これは話者が噛んだからで、正確に「ごご」と発話していたら「午後」となっていたでしょう。
この通話は、街角で行いました。そばの道を車が行き交い、観光客も多くて喧騒に満ちた場所でした。およそ録音には不向きな環境でしたが、「Notta Memo」のAIノイズキャンセリング機能のおかげで背景音はカットされ、明瞭な会話として録音されたわけです。
ミーティングの録音でも文句なしの精度
次は、会議録音モードで試してみましょう。「Notta Memo」は、5m先の音声も認識でき、少人数が集まったミーティングの録音にも適しています。この時はスマホから分離し、単体で使います。
これも試してみましょう。長机を挟んで互いに3m離れた2人の中間に「Notta Memo」を置いて短い会話をします。
いや、どうも忙しい時に待たせてしまってすみません。4時に別件の打ち合わせがあるのでしたね。お時間はそれほどいただかないので早速始めましょう。
4時の打ち合わせは30分ずれたので、多少時間がオーバーしてもオッケーです。
カフェを借り切っての催しの件ですが、一日前倒しにしようと思います。いつも土曜だったのですが、休日ということで集まりが悪いのです。金曜日の夜だとどうかなと。
うーん、金曜の夜というのもなかなか集まりにくいのでは?
そうですよね。なので、ちょっと仕掛けをしてドリンク一杯は無料でつけ、お食事を半額にするというのはどうかなと。経理からその分の負担はカバーできると言われましたので。
こちらも、文句のつけようもない精度ですね。ちなみに、ミーティングの場でスマホをオフにするよう求められても大丈夫。「Notta Memo」単体で録音データを保存しておき、あとでスマホを起動した際に、そのデータが転送されますので。
ここでは詳細は割愛しますが、「Notta Memo」を併用しても、「Notta」本来の要約や翻訳といった機能は制限なく使えます。屋外での通話や、数人規模でのミーティングの多い方には、自信を持っておすすめできるアイテムだと思います。
なお、現時点で「Notta Memo」は、Amazonにて販売中。価格は税込み2万3500円です。
Source: Amazon.co.jp, Notta