米OpenAIのサム・アルトマンCEOは9月23日(現地時間)、「Abundant Intelligence」(豊かな知性)と題した個人ブログで、毎週1GWの新しいAIインフラを生産できる工場を作るという壮大なビジョンを展開した。米NVIDIAがAIインフラ開発のため、OpenAIに最大1000億ドルを投資すると発表した翌日のことだ。
アルトマン氏は、AIシステムの能力が向上するにつれ、AIシステムへのアクセスは将来、基本的人権とみなされるようになるかもしれないと示唆した。「AIがさらに賢くなるにつれて、AIへのアクセスは経済の根本的な原動力となり、最終的には基本的人権とみなされるようなものになるかもしれない。ほぼすべての人が、自分に代わってAIがもっと働いてくれることを望むようになるだろう」と書いている。
NVIDIAとの提携の下、OpenAIはNVIDIAの数百万基の最新GPUを含む少なくとも10ギガワットのAIシステムを導入し、大規模なデータセンターを構築することを目指している。NVIDIAの次世代プラットフォーム「Vera Rubin」を採用した最初のデータセンターは、2026年後半までに導入される予定だ。
アルトマン氏は、AIビジョンを実現する上で10GWのコンピューティング能力が重要だと語った。
「AIが私たちが想定している軌道を辿っていけば、素晴らしいことが可能になるだろう。10GWの演算能力があれば、AIはがんの治療法を見つけ出せるかもしれない。あるいは、地球上のすべての生徒にカスタマイズされた個別指導を提供する方法を見つけ出せるかもしれない。もし演算能力に制限があるなら、どちらを優先するかを選択しなければならなくなる。誰もそんなことを望んではいない」とアルトマン氏は指摘する。
「私たちのビジョンはシンプルだ。毎週1GWの新たなAIインフラを生産できる工場を作りたいのだ」とアルトマン氏。
同氏は、今後数カ月にわたって、このビジョン実現の計画や、実現に向けて取り組んでいるパートナー、資金調達方法などについて語ると予告した。「コンピューティング能力の向上が収益増加の鍵となることを踏まえ、いくつか興味深い新しいアイデアがある」という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.