主体的・対話的で深い学びとは? 学習指導要領との関係や実践例を紹介
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星野真澄
明治学院大学文学部准教授
学習指導要領に示された「主体的・対話的で深い学び」を実現するためには、どのような授業改善が必要なのでしょうか。中央教育審議会が示した「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」とは具体的にどのような学びなのか、学習指導要領との関係や実践例を教育学研究者がわかりやすく解説します。
1.主体的・対話的で深い学びとは?
主体的・対話的で深い学びとは、子どもたちが自ら課題を見つけ、他者と協働しながら考えを深めていく学びのことです。こうした学びを通じて、変化の激しい社会においても自ら考え、学び続ける力を育むことが目指されています。その実現に向けて、現在の学校教育では、学習者の視点に立ち、主体性や対話、思考の深まりを促すような授業改善が求められています。
(1)いつから推進されている?学習指導要領との関係
「主体的・対話的で深い学び」は、2017・18年告示の学習指導要領の中で児童生徒が「どのように学ぶか」を重視した授業改善の方策として盛り込まれました。学習指導要領を改訂するにあたり、文部科学大臣は14年の諮問文の中で、子どもたちが、基礎的な知識・技能を習得するとともに、実社会や実生活でそれを活用しながら、自ら課題を発見し、解決していける力を育むためには、「アクティブ・ラーニング」の充実が必要であることを示しています(初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問):文部科学省)。
これを契機に、学習指導要領(2017・18年告示)では、学習者の視点に立った授業改善が求められるようになりました。子どもたちがこれからの時代に求められる資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的に学び続けられるように、「主体的・対話的で深い学び」の視点で授業を改善することが求められています。
(2)アクティブ・ラーニングとの違いと関係性

星野真澄
明治学院大学文学部准教授。博士(教育学)。『アメリカの学級規模縮小政策』でアメリカ教育学会賞受賞。ほかに『チャートで学ぶ教育学』(教職課程コアカリキュラムに準拠したシリーズ本)を執筆。『教育における女性リーダーシップ』(風間書房)を共訳。