「家賃払ってきたかいが…」アパートで現場検証 26年前の女性殺害

奈良美里
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 犯人が捕まったら現場検証に立ち会わせる――。その思いで遺族は約26年間、アパートを借り続け、2千万円超の家賃を払い続けてきた。

 名古屋市西区のアパートで1999年、住人の高羽(たかば)奈美子さん(当時32)が殺害された事件で、愛知県警は1日午後、殺人容疑で逮捕した安福久美子容疑者(69)=同市港区=を現場アパートに立ちあわせ、現場検証をした。

 事件解決を願い、現場保存のためにこのアパートを借り続けてきた、奈美子さんの夫の悟さん(69)。検証後に報道陣の取材に応じ、「希望はかなった。警察の方にもちゃんと捜査して頂ければ、頑張って家賃を払ってきたかいがあるかなと思う」と語った。

 この日、検証のために悟さんがアパートの鍵を開けた。悟さんによると、1時間ほど検証が続き、この間、悟さんは捜査員に安福容疑者について話を聞かれていたといい、安福容疑者の顔は見られなかったという。

 約26年を経て事件が動き、前夜から電話やメールで多くの知人らから温かい声をかけられた悟さん。「本当にみんなに優しくしてもらってありがたい」と声を詰まらせた。容疑者に対して「ちゃんと正直に話して欲しいと思う」と改めて語った。

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この記事を書いた人
奈良美里
ネットワーク報道本部
専門・関心分野
人権、福祉、障害