【10月31日 AFP】イスラエルは、占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸にオリーブ収穫のため渡航した米国籍ユダヤ人女性2人に対し、国外退去を命じた。渡航を支援したNGOが30日、発表した。

オリーブの収穫期にボランティア活動を組織するNGOの「Solidarity of Nations」と「Rabbis For Human Rights」は共同声明で、ナブルス近郊のブリン村に向かう途中、女性2人を含む11人が拘束されたと述べた。

イスラエル軍は、オリーブ収穫期にパレスチナ人の畑へのアクセスを遮断するためによく使われる軍事閉鎖区域命令を発令しており、ボランティアたちは別ルートで現地に向かおうとしていた。

「ボランティアたちが兵士に従おうと近づいたところ、拘束された」と声明は述べている。

グループ内のイスラエル人ボランティアは警察署で事情聴取を受けた後に釈放されたが、米国籍の2人には国外退去が通告された。

両NGOは声明で、「今回のボランティア国外退去の決定は、非暴力的な人権活動やイスラエルとパレスチナ間における正義を求めるユダヤ人の声を封じる憂慮すべき傾向を示している」と述べた。

イスラエル人と外国人のボランティアは、イスラエル人入植者による収穫の妨害を阻止することを目的とした「保護的プレゼンス」と呼ばれる手法を用いて、定期的にパレスチナ人のオリーブ収穫を支援している。

しかしこの手法の限界が、特に暴力的だった今年の収穫期に露呈している。AFPの記者は、今期少なくとも8件の入植者による襲撃を目撃している。通常、軍が到着して催涙ガスで群衆を解散させることで終わるが、加害者が逮捕されることはほとんどない。

10月初旬にも、ブリンで軍事閉鎖区域命令に違反したとして、30人以上の外国人ボランティアが国外退去となっている。(c)AFP