熟練プログラマが生成AI(LLM)を使うと生産性が低下するという論文(Becker, Rush et al. (2025))が、やはりそうか感をもって受け止められていた。
生成AIは最強のコピペ厨なのだが、コピペ厨の域を未だに脱却できていないので、意外ではない。実際のところ推論などはしていない(Shojaee et al. (2025),Malek et al. (2025))。現状の生成AIはハルシネーションがあるデータの引き出し方が特殊な巨大データベースに過ぎない。
インターネット上で話題になっている事件を、理論とデータをもとに社会科学的に分析。
熟練プログラマが生成AI(LLM)を使うと生産性が低下するという論文(Becker, Rush et al. (2025))が、やはりそうか感をもって受け止められていた。
生成AIは最強のコピペ厨なのだが、コピペ厨の域を未だに脱却できていないので、意外ではない。実際のところ推論などはしていない(Shojaee et al. (2025),Malek et al. (2025))。現状の生成AIはハルシネーションがあるデータの引き出し方が特殊な巨大データベースに過ぎない。
比重はさておき、現在の世界の業務の大半は計算機によって直接間接に支えられている。計算機の基幹部品で排他性のあるものと言えばマイクロプロセッサー(MPU,Intel用語でCPU)で、その1990年代中盤からの独占的供給者であるIntelが、2024年に入り2四半期連続の赤字に転落、大規模なリストラを実施するに至った*1。赤字は1986年以来だ。理由は各方面で指摘されている通り、マイクロプロセッサーのコモディティ化と、高性能計算(HPC)向けの製品で遅れをとったことが理由だ。
西側諸国の禁輸措置にも関わらず、ロシアの弾道ミサイルと巡航ミサイルの生産ペースが回復していると報じられている。西側の電子部品を迂回輸入しているような説明がされているのだが、弾道/巡航ミサイルに使われている電子部品に関しては、輸出入を規制するのが困難に思える。ありふれた部品を少数輸入すれば済むからだ。
秋が深まりホットコーヒーが美味しくなる季節だが、美味しいドリップコーヒーを淹れる5つのコツがリストされていた*1。ちょっと教条的なその内容をざっと順番を変えて紹介すると、
他の疾患のための認可済みの薬剤を、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に流用する試みが行われており、富士フィルムのアビガン錠(の中のファビピラビル)などの話がぼちぼちニュースに流れているのだが、効くと言っても特効薬とは限らないので注意したい。報道では効果量・副作用・被験者数について言及されていない事が多いし、研究や治験のどの段階かも強調されていないことが多いからだ。後で残念な結果が出てくることは十分あり得る。
これまで日本では新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染検査はRT-PCRで行われて来たのだが、手間隙時間がかかり、作業者によって精度が大きく左右される問題があった。ここに来てより簡便な免疫グロブリンを見る検査キットが輸入販売されだした*1のだが、昼間の報道番組のコメンテーターを含めて後先考えずに検査したい人々が一定数いるので、厚労省にはなるべく早く適切な使い方をアナウンスして欲しい。
『戦闘技術の歴史』の第4巻は、ナポレオン・ボナパルトの時代を取り上げていた。戦闘技術がテーマだけに、オラニエ公マウリッツ~グスタフ2世アドルフ~ナポレオンと続いた歩兵/砲兵/騎兵と兵科を分けて運用する三兵戦術の発展に関わる記述が大きな比重を占めている。ナポレオン時代のフランス陸軍が強力なのは、野戦砲の性能向上が実現されたところに、軍の機動的運用が実現されたためであったことがよくわかる。
人工的に日照時間を長くすることで光合成を促進し、小麦の播種から収穫まで8週間に短縮して、一年間で6毛作を可能にすることで、品種改良を加速する技術が開発中だ(POPSCI)。春小麦では成功しているが、花をつけるのに低温要求性がある冬小麦ではまだだが、コスト度外視でエアコンでもつければ不可能では無いであろう。LEDのコストがかかるのでスケールアップできないのが問題らしいが。
ワクチン接種は感染症に対する有効な対策だ。天然痘は極めて死亡率の高い病気であったが、18世紀にエドワード・ジェンナーが牛痘接種法による天然痘ワクチンを発明し、1977年を最後に根絶された。地球上から根絶に至らなくても、風疹、ジフテリア、破傷風、百日咳、麻疹などの感染者数を劇的に抑えている事は間違いなく、広く接種されているワクチンの効能を疑う必要は無い。
スペイン風邪以来怖れられているインフルエンザ対策と言えばワクチン接種だが、実は効き目が毎年違う。なぜならば、流行のインフルエンザ株にあわせたワクチン製造に失敗する事があるからだ。その事情が、POPSCIで説明されていた。
突然変異を繰り返すインフルエンザ・ウイルスには、毎年同じワクチンは通用しない。国立感染症研究所のウェブページには、毎年のインフルエンザワクチン株がリストされているが、その4種類の組み合わせは確かに毎年変わっている。ワクチン生成をする前に、流行のインフルエンザ株を特定しないといけない。
米国ではケータイのカメラなどで、警察官のマイノリティへの暴力*1や不用意な発砲が可視化され社会問題になっているが、米欧では警察官の規律対策としてボディ・カメラ(BWCs)の装備が各所で試されている。「ボディカメラの装着で警官に対するクレームが93%減少」のような大きな効果を伝えるニュースをよく見かけるのだが、ランダム化比較実験(RCT)を用いた厳密な政策効果の測定を行うと費用対効果は微妙な結果になる*2。
最近、企業などに蓄積された大規模データを分析している人々がデータサイエンティストと名乗っているのを良く見かけるのだが、求人情報サイトのIndeed.comの統計によると、雇用主が登録する単語でdata scienceやbig dataが増加する一方で、data scientistが急激に減少しているそうだ(Tech News and Analysis)。データマイニング需要は増加しているものの、それにはSQLやHadoopなどのデータベース技術、統計学、機械学習、プログラミングの融合が求められる。データサイエンティストは全てができる事になっているが、現実としてそういう人は限られており、Googleにしか存在していないと解釈されている。