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2025年8月17日日曜日

プログラミングで生成AIをうまく使う方法

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熟練プログラマが生成AI(LLM)を使うと生産性が低下するという論文(Becker, Rush et al. (2025))が、やはりそうか感をもって受け止められていた。

生成AIは最強のコピペ厨なのだが、コピペ厨の域を未だに脱却できていないので、意外ではない。実際のところ推論などはしていない(Shojaee et al. (2025)Malek et al. (2025))。現状の生成AIはハルシネーションがあるデータの引き出し方が特殊な巨大データベースに過ぎない。

2024年8月27日火曜日

Intelの赤字転落と計算機の利用目的の衰勢

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比重はさておき、現在の世界の業務の大半は計算機によって直接間接に支えられている。計算機の基幹部品で排他性のあるものと言えばマイクロプロセッサー(MPU,Intel用語でCPU)で、その1990年代中盤からの独占的供給者であるIntelが、2024年に入り2四半期連続の赤字に転落、大規模なリストラを実施するに至った*1。赤字は1986年以来だ。理由は各方面で指摘されている通り、マイクロプロセッサーのコモディティ化と、高性能計算(HPC)向けの製品で遅れをとったことが理由だ。

2023年9月28日木曜日

ダンボール授乳室を非難する前に

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道の駅に、板野紙工から寄贈された2コマ型の強化ダンボール製の授乳室*1が設置され、ネット界隈で非難と擁護の議論が交わされている。安っぽいことと、鍵がかからずカーテンのみであること、天井が空いていることが主に非難されている。

これらの非難をされると、その欠陥が何をもたらすのかの評価がされていない。防災や防犯上の具体的問題があれば、施設管理者が施設利用者に対して負っている安全配慮義務*2から対策すべきと強く言えるが、見た目の問題であれば利便性を優先すべきと言う意見に抗うのは難しい。ネット界隈の多くの道の駅を利用しない人にとって、視界に入らないものだからだ。

2023年9月21日木曜日

ロシアのミサイルに搭載されている電子部品

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西側諸国の禁輸措置にも関わらず、ロシアの弾道ミサイルと巡航ミサイルの生産ペースが回復していると報じられている。西側の電子部品を迂回輸入しているような説明がされているのだが、弾道/巡航ミサイルに使われている電子部品に関しては、輸出入を規制するのが困難に思える。ありふれた部品を少数輸入すれば済むからだ。

2021年10月15日金曜日

美味しいコーヒーを淹れる5つのコツ

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秋が深まりホットコーヒーが美味しくなる季節だが、美味しいドリップコーヒーを淹れる5つのコツがリストされていた*1。ちょっと教条的なその内容をざっと順番を変えて紹介すると、

2020年3月18日水曜日

新型コロナウイルス感染症の治療薬のニュースを見るときに心に留めておきたいこと

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他の疾患のための認可済みの薬剤を、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に流用する試みが行われており、富士フィルムのアビガン錠(の中のファビピラビル)などの話がぼちぼちニュースに流れているのだが、効くと言っても特効薬とは限らないので注意したい。報道では効果量・副作用・被験者数について言及されていない事が多いし、研究や治験のどの段階かも強調されていないことが多いからだ。後で残念な結果が出てくることは十分あり得る。

2020年3月15日日曜日

厚労省に早々に打ち出して欲しい新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗体検査キットの使い方

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これまで日本では新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染検査はRT-PCRで行われて来たのだが、手間隙時間がかかり、作業者によって精度が大きく左右される問題があった。ここに来てより簡便な免疫イムノグロブリンを見る検査キットが輸入販売されだした*1のだが、昼間の報道番組のコメンテーターを含めて後先考えずに検査したい人々が一定数いるので、厚労省にはなるべく早く適切な使い方をアナウンスして欲しい。

2019年6月9日日曜日

原理から見た製鉄の歴史が分かる「人はどのように鉄を作ってきたか」

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金属が文明に与えた影響は大きく、歴史区分に鉄器時代を使うこともあるし、創作物で鍛冶のシーンが出てくることも多く、製鉄はモノ造りの象徴とも言える存在だ。鉄鋼業界の変動や再編は今でも大きなニュースになる。しかし、製鉄の原理や歴史を学んだ人は少数であろう。ヒッタイト起源だと世界史で習ったぐらいであろうか。しかし、それでは文明を語る老害にはなれない。

2019年6月3日月曜日

三兵戦術の集大成がわかる『戦闘技術の歴史4 ナポレオンの時代編』

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戦闘技術の歴史』の第4巻は、ナポレオン・ボナパルトの時代を取り上げていた。戦闘技術がテーマだけに、オラニエ公マウリッツ~グスタフ2世アドルフ~ナポレオンと続いた歩兵/砲兵/騎兵と兵科を分けて運用する三兵戦術の発展に関わる記述が大きな比重を占めている。ナポレオン時代のフランス陸軍が強力なのは、野戦砲の性能向上が実現されたところに、軍の機動的運用が実現されたためであったことがよくわかる。

2019年3月26日火曜日

ギリシャのファランクスは習ったが、ローマの戦術については何も知らない人は読むべき『戦闘技術の歴史』

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ドラゴンクエスト世代がおっさん・おばさんになって久しいためか、現在は異世界ファンタジー全盛期であり、2019年度の「NHKラジオ 基礎英語2」も厨二病に媚びたものとなった。中二対象だからいいのか。

ともかくファンタジー世界のラノベ作品が乱造されているわけだが、中世風だが現代的過ぎる世界観の作品も多い。たまに、リアリティ論争が起きたりする*1。そのためか、剣と魔法のファンタジー小説や漫画を書く前に、古代から近世の戦闘技術が分かるシリーズ本『戦闘技術の歴史』を読むべきと言う話が話題になっていた*2

2018年4月3日火曜日

自動運転技術の開発で鍵になるのはテスト工程の確立

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身近かつハイテクで、発展的な応用が想像しやすい技術として注目される自動運転技術だが、日本勢が米国勢に絶対勝てないと言う説がよく囁かれる*1。そこでは市場を制する為のポイントとして、ソフトウェア技術者の質や量、実地テストのための法整備などが挙げられていることが多いのだが、テスト工程の整備の方が重要に思えるので指摘したい。

2018年3月31日土曜日

評価されると思わなければ、改善方法を知っていてもそうはしない

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アフリカのセネガルでは、水っぽい腐りやすいたまねぎばかりが生産されており、高関税にも関わらず輸入代替が進んでいない。農家の生産技術が低いのが原因ではないかと思う人々が多いであろうが、ランダム化比較実験(RCT)を行なったところ、そうではない事が確認されたと言う話が紹介されていた*1。たまねぎが容量で卸されており、重量や品質が考慮されていなかったのが原因だそうだ。

2018年2月18日日曜日

縫製業を襲う労働節約的技術進歩

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人工知能がもたらす技術的特異点は雲を掴むような話だが、産業革命以後、連綿と続いている生産ラインの資本使用的技術進歩の影響は、労働者の差し迫った脅威になるかも知れない。具体的には、縫製自動機の技術進歩が目立っており、南アジアを中心とした開発途上国の縫製業に必要な労働者の数が減っていくのではないかと危惧されている*1

2018年1月20日土曜日

人工知能が猛烈な勢いで小麦の品種改良を行なう日は近い

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人工的に日照時間を長くすることで光合成を促進し、小麦の播種から収穫まで8週間に短縮して、一年間で6毛作を可能にすることで、品種改良を加速する技術が開発中だ(POPSCI)。春小麦では成功しているが、花をつけるのに低温要求性がある冬小麦ではまだだが、コスト度外視でエアコンでもつければ不可能では無いであろう。LEDのコストがかかるのでスケールアップできないのが問題らしいが。

2017年11月25日土曜日

未来のワクチンは伝染していく

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ワクチン接種は感染症に対する有効な対策だ。天然痘は極めて死亡率の高い病気であったが、18世紀にエドワード・ジェンナーが牛痘接種法による天然痘ワクチンを発明し、1977年を最後に根絶された。地球上から根絶に至らなくても、風疹、ジフテリア、破傷風、百日咳、麻疹などの感染者数を劇的に抑えている事は間違いなく、広く接種されているワクチンの効能を疑う必要は無い。

2017年11月22日水曜日

インフルエンザ・ワクチンが効かない年がある理由

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スペイン風邪以来怖れられているインフルエンザ対策と言えばワクチン接種だが、実は効き目が毎年違う。なぜならば、流行のインフルエンザ株にあわせたワクチン製造に失敗する事があるからだ。その事情が、POPSCIで説明されていた。

突然変異を繰り返すインフルエンザ・ウイルスには、毎年同じワクチンは通用しない。国立感染症研究所のウェブページには、毎年のインフルエンザワクチン株がリストされているが、その4種類の組み合わせは確かに毎年変わっている。ワクチン生成をする前に、流行のインフルエンザ株を特定しないといけない。

2017年11月4日土曜日

警察官がボディ・カメラを装備しても、態度が良くなるとは限らない

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米国ではケータイのカメラなどで、警察官のマイノリティへの暴力*1や不用意な発砲が可視化され社会問題になっているが、米欧では警察官の規律対策としてボディ・カメラ(BWCs)の装備が各所で試されている。「ボディカメラの装着で警官に対するクレームが93%減少」のような大きな効果を伝えるニュースをよく見かけるのだが、ランダム化比較実験(RCT)を用いた厳密な政策効果の測定を行うと費用対効果は微妙な結果になる*2

2017年10月25日水曜日

ブラジルで電子投票を導入した結果

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開発途上国で貧困層への公共サービスが小さいのは、その政治的影響力が小さいためだと言われている。選挙のある民主国家で、貧困層が少なくない数を占めている場合も同様であると言う研究もあり、影響力を増すような制度改善の方法も色々と提案されている。しかし、実現可能性の低い提案をするよりも、投票用紙を電子機器に変えた方が手っ取り早いようだ*1

2014年9月4日木曜日

データサイエンティストの募集は減っている ─ いないから

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最近、企業などに蓄積された大規模データを分析している人々がデータサイエンティストと名乗っているのを良く見かけるのだが、求人情報サイトのIndeed.comの統計によると、雇用主が登録する単語でdata scienceやbig dataが増加する一方で、data scientistが急激に減少しているそうだ(Tech News and Analysis)。データマイニング需要は増加しているものの、それにはSQLやHadoopなどのデータベース技術、統計学、機械学習、プログラミングの融合が求められる。データサイエンティストは全てができる事になっているが、現実としてそういう人は限られており、Googleにしか存在していないと解釈されている。

2014年6月30日月曜日

ロシアの高速増殖炉が臨界に達する

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2014年6月27日にロシアのベロヤルスク原子力発電所4号炉が臨界に達したと報道されていた(wnn)。設置されているBN-800型原子炉は冷却材にナトリウムを使ったもので、789MWeの出力を持つそうだ。日本のもんじゅも既に臨界に達しているが280MWeなので、随分と先を行かれた感じだ。もっとも高速増殖炉が本当に有用になるのは、核燃料サイクルが回りだしてからの事になる。この点では日本でも前進が見られる。